片足立ちの平均は何秒?|開眼・閉眼の年代別の目安と正しい測り方
この記事の結論
開眼片足立ちの全国平均は、65〜69歳で約83秒、70〜74歳で約70秒、75〜79歳で約57秒です(スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査」、上限120秒、男女とも同程度)。閉眼片足立ちには国の年代別平均がなく、厚生労働省のセルフチェック票の区分(7秒以下が評価1)で見るのが実務的です。測り方によって上限や記録の単位が違うため、どの方法で測った数字かをそろえて比べてください。片足立ちで分かるのは片足で立っていられる時間で、ふらつく理由が筋力なのか感覚なのかまでは分かりません。
| 年代 | 男性の平均 | 女性の平均 | 新体力テストの得点(平均値の位置) |
|---|---|---|---|
| 65〜69歳 | 83.30秒 | 82.84秒 | 男女とも9点の区分 |
| 70〜74歳 | 70.30秒 | 69.06秒 | 男性8点・女性9点の区分 |
| 75〜79歳 | 58.33秒 | 56.72秒 | 男女とも8点の区分 |
出典:スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査報告書」統計数値表 表1-4(2026年10月公表)。得点区分は同庁「新体力テスト実施要項(65歳〜79歳対象)」の項目別得点表による。
年代別の平均|国の統計があるのは65〜79歳の開眼片足立ちだけ
スポーツ庁の新体力テストで開眼片足立ちを測るのは65〜79歳の区分だけです。20〜64歳の種目に片足立ちは入っていないため、「40代の片足立ちの全国平均」は国の統計としては存在しません。冒頭の表の値は、各区分872〜917人の測定結果です。
読み方のポイントは3つです。
- 5歳ごとに約12〜14秒ずつ短くなる/65〜69歳から75〜79歳までで、男女とも25秒ほど下がります
- 男女差はほとんどない/どの年代も差は2秒以内です
- 同じ年代でも個人差が大きい/標準偏差は約41〜43秒。記録は120秒で打ち切るため、平均値は120秒以上立てる人を120秒として数えた値です
平均より長いか短いかだけで良し悪しを決めるより、同じ人を同じ方法で測って、前回と比べる使い方が向いています。
何秒なら何点か|新体力テストの得点表(65〜79歳)
新体力テストでは、開眼片足立ちの秒数を1〜10点に換算します。得点表は男女別です。
| 得点 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 10点 | 120秒以上 | 120秒以上 |
| 9点 | 73〜119秒 | 67〜119秒 |
| 8点 | 46〜72秒 | 40〜66秒 |
| 7点 | 31〜45秒 | 26〜39秒 |
| 6点 | 21〜30秒 | 18〜25秒 |
| 5点 | 15〜20秒 | 12〜17秒 |
| 4点 | 10〜14秒 | 8〜11秒 |
| 3点 | 7〜9秒 | 5〜7秒 |
| 2点 | 5〜6秒 | 4秒 |
| 1点 | 4秒以下 | 3秒以下 |
出典:スポーツ庁「新体力テスト実施要項(65歳〜79歳対象)」項目別得点表
閉眼片足立ちの目安|厚労省セルフチェック票の区分で見る
閉眼片足立ち(目を閉じて片足で立つ)は、新体力テストの種目ではありません。国の年代別平均もないため、職場では厚生労働省の「転倒等リスク評価セルフチェック票」の評価区分を目安にします。区分は男女共通・年齢共通です。
| 評価 | 閉眼片足立ち | 開眼片足立ち |
|---|---|---|
| 1 | 7秒以下 | 15秒以下 |
| 2 | 7.1〜17秒 | 15.1〜30秒 |
| 3 | 17.1〜55秒 | 30.1〜84秒 |
| 4 | 55.1〜90秒 | 84.1〜120秒 |
| 5 | 90.1秒以上 | 120.1秒以上 |
出典:厚生労働省「転倒等リスク評価セルフチェック票」評価表、中央労働災害防止協会「転倒等災害リスク評価セルフチェック実施マニュアル」(厚生労働省委託事業、平成21年度)
開眼の評価3と評価4の境目は84秒で、65〜69歳の全国平均(約83秒)とほぼ同じ位置にあります。評価が低いほど、その能力で転倒等のリスクが高いと読みます。評価表の全体と質問票の読み方は転倒等リスク評価セルフチェック票の使い方にまとめています。
2つの測り方は上限と記録の単位が違う
「片足立ち何秒」と言っても、新体力テストと厚労省セルフチェック票では手順が少しずつ違います。違う方法の数字を並べて比べると、差の理由を取り違えます。
| 新体力テスト(開眼) | 厚労省セルフチェック(開眼) | 厚労省セルフチェック(閉眼) | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 65〜79歳 | 働く人(年齢の指定なし) | 働く人(年齢の指定なし) |
| 手の位置 | 両手を腰に当てる | 両手を腰に置く | 腰に当てても、広げてもよい |
| 打ち切り | 120秒 | 3分 | 2分 |
| 記録の単位 | 秒(秒未満は切り捨て) | 0.1秒 | 0.1秒 |
| 回数 | 2回でよい方。1回目が120秒なら2回目なし | 2回でよい方。上限に達したら2回目なし | 同左 |
| 終了の条件 | 挙げた足が支持脚や床に触れる、支持脚の位置がずれる、手が腰から離れる | 目を開ける、挙げた足が支持脚や床に触れる、支持脚が動く | |
出典:スポーツ庁「新体力テスト実施要項(65歳〜79歳対象)」、厚生労働省 職場のあんぜんサイト「身体的能力のセルフチェック」(中央労働災害防止協会の2010年3月の報告書による)
正しいやり方|開眼・閉眼の手順
開眼片足立ち
- 靴を脱いで素足になり、滑らない平らな床に立つ
- 両手を腰に当てる
- 左右で軽く試し、立ちやすい方の足を支持脚に決める
- 「片足を挙げて」の合図で片足を床から挙げる。挙げた足は支持脚に触れさせない
- 終了の条件(足が床につく、支持脚がずれる、手が腰から離れる)になるまでの時間を測る
- 2回行い、よい方を記録する
新体力テストの要項は、「始め」の合図でバランスを崩す人がいるため、「片足を挙げて」の合図から計測を始めるとよいとしています。終了の条件は事前に伝え、練習させてから測ります。
閉眼片足立ち
基本の姿勢から片足を挙げ、本人のタイミングで目を閉じたところから測ります。目を開けた時点で終了です。厚労省のセルフチェック実施マニュアルは、バランスを崩すおそれがあるため補助者が立ち会うよう求めています。
職場・施設で測るときの手順と安全
片足立ちは道具がストップウォッチだけで済む一方、測定中に転ぶおそれがある種目です。
- 参加前に体調を確認する/当日体調が悪い人、健康上の問題がある人は控えてもらう。新体力テストの要項は、日常生活の動作を聞く事前の質問(歩ける時間、正座から立てるか、片足で立てる時間)の回答によって、開眼片足立ちを実施しない場合を定めています
- 場所をつくる/周囲に物を置かない。段差・傾斜のない、滑りにくい床を選ぶ。話し声や振動の少ない場所にする
- 補助者を置く/測る人とは別に、すぐ体を支えられる位置に立つ人を置く。壁際で行う場合は、指先が壁に触れない距離をとる
- 記録/何の方法で測ったか(新体力テスト式か、厚労省式か)、開眼か閉眼か、支持脚、2回の記録を残す
| よくあるずれ | 数値への影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 開始の合図があいまい | 測る人によって数秒変わる | 「片足を挙げて」の時点で計測を始めると決める |
| 終了の判定がゆるい | 少し足が触れても続けると長く出る | 終了の条件を紙に書いて全員で共有する |
| 上限が違う | 120秒で止めた記録と3分まで測った記録が混ざる | 職場で上限を1つに決め、記録用紙に書いておく |
人数が多い職場では、開眼で最大2〜3分、2回測ると1人に数分かかります。100人規模の段取りと費用は職場の体力チェックの進め方で比べています。
片足立ちで分かること・分からないこと
| 分かること | 分からないこと |
|---|---|
| 片足で姿勢を保っていられる時間(静的バランス) | ふらつく理由が筋力なのか、足裏や内耳の感覚なのか |
| 同年代の全国平均や評価区分と比べた位置 | 歩く・よける・振り向くといった動きの中でのバランス |
| 同じ方法で測った前回との差 | その人が転ぶかどうか(片足立ちは転倒を予測・診断するものではありません) |
| 質問票と組み合わせれば、本人の自己評価とのずれ | 上限の120秒や3分を超える人どうしの差 |
体力テスト・自己申告・機器測定の役割の違いは転倒リスクはどう測るのかで整理しています。体調やふらつきに不安がある場合は、測定の結果にかかわらず医療機関に相談してください。
ライトタッチコンタクト|指先で軽く触れると、ふらつきが減る現象
片足立ちを測るとき、指先が壁や机に触れていないかは記録を大きく左右します。人は指先で何かに軽く触れるだけで、立っているときの揺れが小さくなるからです。この現象をライトタッチコンタクト(ライトタッチ)と呼びます。
- 米ブランダイス大学のJekaとLacknerは、両足を前後一直線にそろえて立つ姿勢(タンデム立位)で、1N(約100グラム重)未満の力で指先を触れさせたときにも、強く支えたときと同じくらい体の揺れが減ったと報告しています(1994年)
- 同研究室の解説では、実際にかけていた力は約40グラム重で、揺れは接触しない場合より50〜60%小さくなったとしています
- 横浜国立大学と県立広島大学の研究グループは、指先に振動を与えて「触れている感覚」をつくる装置を開発し、20〜60代の健康な男女150名で、紙に軽く触れる従来のライトタッチと同等の結果が得られたと発表しています(2021年4月)
出典:Jeka JJ, Lackner JR. Fingertip contact influences human postural control. Experimental Brain Research 100:495-502(1994)/Brandeis University Ashton Graybiel Spatial Orientation Laboratory「Precision Touch」/横浜国立大学・県立広島大学 研究グループのプレスリリース(2021年4月21日、論文:Scientific Reports「A Wearable Light-touch Contact Device for Human Balance Support」)
測定の場面に置きかえると、壁や机、補助者の手に指先が触れているだけで記録が長く出るおそれがあります。手を腰から離さずに測った記録だけを比べてください。なお、日本整形外科学会はロコトレの片脚立ち(左右1分ずつ、1日3回)を、支えが必要な人は机に手や指先をついて行う方法で紹介しています。これは練習のやり方で、測定とは別です。
出典:日本整形外科学会 ロコモオンライン「ロコトレ」
立位ステッピングテストとは
立位ステッピングテストは、立ったまま、その場でできるだけ速く足踏みをした回数を数えるテストです。片足立ちが「止まっていられるか」を見るのに対し、こちらは素早く足を入れ替える動きを見ます。
施設に入所する高齢者を対象にした研究では、5秒間の足踏み回数を座位と立位で測り、立位の回数が17回を下回る人で転倒の危険性が約7倍になると示唆されたと報告されています。座位の回数では、転倒した群としなかった群に有意な差はありませんでした。
出典:池添冬芽、市橋則明、島浩人、浅川康吉「高齢者の転倒を予測するためのステッピングテストの有効性」(医学書院、2009年11月)
この17回は特定の対象者で得られた研究上の値で、職場の判定基準ではありません。厚労省セルフチェック票に入っているのは座位ステッピングテスト(椅子に座って20秒間)で、立位とは別のテストです。
立位バランス測定(StA²BLE・立位年齢®)との違い
StA²BLE(ステイブル)は、ライトタッチコンタクトを応用した測定機器です。利き手の指先に専用デバイスを付け、ボードの上で両足をそろえ、目を閉じて約1分立ちます。指先の振動で「触れている状態」をつくり、それを外したときのふらつきと立て直しから、身体機能と感覚機能を評価します。結果は立位年齢®として年齢の形で表示されます。
| 片足立ち(開眼・閉眼) | StA²BLE | |
|---|---|---|
| 姿勢 | 片足で立つ | 両足をそろえて立つ |
| 1人あたりの時間 | 開眼なら最大2〜3分×2回 | 約1分 |
| 測定中の転倒の危険 | あり。補助者が要る | 立っているだけ |
| 測る人による差 | 開始・終了の判定で出やすい | 装置が自動で計測 |
| 見ているもの | 片足で立っていられる時間 | 触れている感覚を外したときのふらつきと立て直し |
| 結果の形 | 秒数・得点・評価区分 | 立位年齢®(実年齢と比べられる) |
| 費用 | ストップウォッチのみ | レンタル1日55,000円〜/購入1,080,000円 |
StA²BLEの価格は株式会社ウエルアップの料金(税別、レンタルは送料別、2026年10月時点)。StA²BLEは転倒リスクの評価を目的とした検査装置であり、疾患の診断・治療を行う機器ではありません。
片足立ちは全員が無料で取り組める入口、StA²BLEは片足立ちを安全に行いにくい人も含めて、同じ条件で毎年比べたいときの手段です。
あわせて読みたい:座位・立位ステッピングテストの違い
よくある質問
Q1. 開眼片足立ちとは何ですか?
A. 開眼片足立ちは、目を開けたまま両手を腰に当てて片足で立ち、姿勢を保っていられる時間を測る体力テストです。静的なバランス能力を見る種目で、文部科学省・スポーツ庁の新体力テスト(65〜79歳対象)と、厚生労働省の転倒等リスク評価セルフチェック票の両方に入っています。
Q2. 片足立ちの年代別の平均は何秒ですか?
A. 開眼片足立ちの全国平均は、65〜69歳で男性83.30秒・女性82.84秒、70〜74歳で男性70.30秒・女性69.06秒、75〜79歳で男性58.33秒・女性56.72秒です(スポーツ庁「令和7年度体力・運動能力調査」、上限120秒)。20〜64歳は新体力テストに片足立ちの種目がないため、国の平均値はありません。
Q3. 閉眼片足立ちは何秒できればよいですか?
A. 閉眼片足立ちには国の年代別平均がありません。厚生労働省の転倒等リスク評価セルフチェック票の区分では、7秒以下が評価1、7.1〜17秒が評価2、17.1〜55秒が評価3、55.1〜90秒が評価4、90.1秒以上が評価5です。区分は男女共通で、評価が低いほどその能力で転倒等のリスクが高いと読みます。
Q4. 片足立ちは何秒で打ち切りますか?
A. 方法によって違います。新体力テストの開眼片足立ちは120秒で打ち切り、厚生労働省のセルフチェックは開眼3分・閉眼2分で打ち切ります。どちらも2回測ってよい方を採用します。前回と比べるときは同じ方法で測ってください。
Q5. 片足立ちの結果で転倒するかどうかが分かりますか?
A. 分かりません。片足立ちで分かるのは、片足で姿勢を保っていられる時間と、全国平均や評価区分と比べた位置です。転倒を予測・診断するものではなく、ふらつく理由が筋力なのか感覚なのかも分かりません。体調やふらつきに不安がある場合は医療機関に相談してください。
Q6. ライトタッチコンタクトとは何ですか?
A. ライトタッチコンタクトは、指先で壁や机などに軽く触れるだけで、立っているときの体の揺れが小さくなる現象です。1994年のJekaとLacknerの研究では、1N(約100グラム重)未満の指先の接触でも、強く支えたときと同じくらい揺れが減ったと報告されています。片足立ちを測るときに指先が何かに触れていると記録が長く出るため、手は腰に当てて測ります。
Q7. 立位ステッピングテストと座位ステッピングテストは何が違いますか?
A. 立位ステッピングテストは立ったままその場で素早く足踏みした回数を、座位ステッピングテストは椅子に座ったまま足を動かした回数を数えます。厚生労働省のセルフチェック票に入っているのは座位(20秒間)で、立位ステッピングテストは入っていません。
Q8. 片足立ちが難しい人の測定や、StA²BLEの体験はできますか?
A. StA²BLEは両足をそろえて目を閉じて立つだけの約1分の測定で、片足立ちのように測定中に転ぶ危険がありません。レンタルは1日55,000円から、1台で連続約300人に対応します。体験・デモ・測定会のご相談は、株式会社ウエルアップのお問い合わせフォームからご連絡ください。