立位年齢®とは|何を測っていて、何が分かるのか
立位年齢®は、バランス能力を「年齢」に置きかえた指標
立位年齢®とは、身体機能・感覚機能などの情報から、立っているときのバランス能力を「年齢」という分かりやすい指標で表したものです。UNTRACKED株式会社の登録商標で、同社の転倒リスク計測装置 StA²BLE(ステイブル)で測定できます。
なぜ「年齢」にするのか。理由は伝わりやすさです。
「重心動揺の面積が◯◯平方センチメートル」と言われても、それが良いのか悪いのか、本人には判断できません。ところが「実年齢は58歳ですが、立位年齢は71歳でした」と言われると、意味が一瞬で伝わります。
転倒対策でいちばん難しいのは、本人に自覚を持ってもらうことです。立位年齢®という表現は、その一点のために設計された指標だと理解すると分かりやすくなります。
StA²BLEは転倒リスクの評価を目的とした検査装置であり、疾患の診断・治療を行う機器ではありません。立位年齢®は健康状態や余命を示すものではなく、測定時の体調・環境によって変動します。
何を測っているのか
バランスは筋力だけでは決まらない
「転ばないためには足の筋力が大事」というのは、半分は正しく、半分は足りません。
人が立っているとき、身体は絶えず微細に揺れています。この揺れを感じ取り、倒れる前に修正する。この一連の働きが「立つ」という動作の実態です。ここには次の要素が関わります。
- 感じ取る/足裏の感覚、内耳の平衡感覚、視覚
- 判断する/中枢での処理
- 立て直す/筋力と反応速度
筋力は最後の「立て直す」に効きます。しかし最初の「感じ取る」が鈍っていれば、いくら筋力があっても対応が遅れます。高齢になるほど、この感覚機能の低下が効いてきます。
指先で軽く触れると、立ちやすくなる
ここで使われるのが、ライトタッチと呼ばれる現象です。
人は、指先で何かに軽く触れるだけで立位が安定します。体重を支えているわけではありません。ほんの数グラムの接触でも安定します。これは、指先からの感覚情報が姿勢の制御に使われているためです。
StA²BLEは、指先に付ける専用デバイスと重心動揺計を組み合わせ、この現象を利用して測定します。触れているときと触れていないときの差を見ることで、身体機能と感覚機能の両面から評価する仕組みになっています。
筋力テストだけでは見えない部分が見える、というのがこの方式の要点です。
測定は約1分
測定は2ステップで完了し、所要時間は約1分です。立っているだけなので、片足立ちのように測定中に転倒する危険がありません。バランスに不安がある方にこそ測ってほしい検査で、その人が安全に受けられることは実務上とても重要です。
1台で連続して約300人の測定に対応します(2025年販売モデル)。数十人から百人規模の測定会でも、1日で回せる想定です。
結果の読み方
見るのは「実年齢との差」
立位年齢®の絶対値そのものより、実年齢との差に意味があります。
| 結果 | 読み方 | 次にやること |
|---|---|---|
| 実年齢より下 | 同年代より安定している | 今の生活習慣を続ける。次回も測って維持を確認 |
| 実年齢とほぼ同じ | 年相応 | 現状維持を目標に。半年後に再測定 |
| 実年齢より上 | 同年代より不安定な傾向 | 環境と運動の両面で対策。数か月後に再測定 |
大事なのは、1回の結果で断定しないことです。測定値は、その日の体調、睡眠、履き物、測定した時間帯によって動きます。「今日は数値が悪かった」ではなく、条件をそろえて前回と比べる使い方をしてください。
結果の伝え方に配慮する
職場で測定する場合、結果の扱いには注意が要ります。
- 人前で読み上げない/本人にだけ渡す
- 年齢をからかう材料にしない/これが起きると次回から誰も参加しません
- 人事評価や配置判断に使わない/実施前に明示する
- 対策とセットで返す/数値だけ渡して終わりにしない
3番目は、測定会の成否を分けます。測定会の設計で詳しく扱っています。
立位年齢®が上がってしまったら
実年齢より高い数値が出た場合、打てる手は2方向です。
| 環境を変える | 身体を変える | |
|---|---|---|
| 内容 | 段差の解消、手すり、照明の改善、滑りにくい靴 | バランス訓練、ストレッチ、歩行の習慣 |
| 効果 | すぐ出る | 数か月かかる |
| 実施主体 | 会社・施設 | 本人(場と動機は会社が用意する) |
どちらか一方では足りません。職場の転倒災害対策で両面の進め方を整理しています。
神奈川県 ME-BYO BRAND に認定されています
StA²BLEは、神奈川県が公表する「未病を見える化する商品・サービス」の一覧にME-BYO BRAND認定商品として掲載されています(項番17「転倒リスク計測装置StA²BLE」/UNTRACKED株式会社)。
測定方法は「指先に付ける専用デバイスと重心動揺計」、見える化できることは「転倒リスク/立位年齢」として記載されています。自治体の介護予防事業や健康づくり事業で採用を検討される際の判断材料になります。
よくある質問
Q1. 立位年齢®とは何ですか?
A. 身体機能・感覚機能などの情報から、立っているときのバランス能力を「年齢」という分かりやすい指標で表したものです。UNTRACKED株式会社の登録商標で、同社の転倒リスク計測装置 StA²BLE で測定できます。
Q2. 筋力測定とは何が違うのですか?
A. バランスは筋力だけでは決まりません。足裏や内耳の感覚で揺れを感じ取り、判断し、筋力で立て直す、という一連の働きの結果です。StA²BLEはライトタッチ現象を利用して、身体機能と感覚機能の両面から評価します。
Q3. 測定にどのくらい時間がかかりますか?
A. 2ステップ・約1分です。立っているだけなので、片足立ちのように測定中に転倒する危険がありません。1台で連続して約300人の測定に対応します(2025年販売モデル)。
Q4. 結果はどう読めばよいですか?
A. 絶対値より実年齢との差を見てください。また、測定値はその日の体調・睡眠・履き物・時間帯で動くため、1回の結果で断定せず、条件をそろえて前回と比較する使い方が適しています。
Q5. 立位年齢®が実年齢より高く出たらどうすればよいですか?
A. 環境を変える対策(段差の解消、手すり、照明、滑りにくい靴)と、身体を変える対策(バランス訓練、ストレッチ、歩行習慣)の両面で進めてください。前者はすぐ効果が出て、後者は数か月かかります。
Q6. 公的な認定はありますか?
A. 神奈川県が公表する「未病を見える化する商品・サービス」の一覧に、ME-BYO BRAND認定商品として掲載されています(項番17「転倒リスク計測装置StA²BLE」/UNTRACKED株式会社)。