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測定の基礎知識2026年10年01日 更新

転倒等リスク評価セルフチェック票の使い方|5つの体力テストと評価表の読み方

この記事の結論

「転倒等リスク評価セルフチェック票」は、厚生労働省が公開している職場向けの体力チェックです。5つの体力テストの実測値と、9問の質問票で答えた本人の自信を、それぞれ1〜5の5段階で採点してレーダーチャートに重ねます。見るべきなのは、2以下の項目と、実測より自信が上回っている項目(過信)の2つです。無料で始められる一方、場所・補助者・時間が要るので、人数が多い職場では機器による測定と組み合わせると続けやすくなります。

セルフチェック票とは

転倒等リスク評価セルフチェック票は、厚生労働省が「転倒災害の防止」のページで公開している様式です。年齢とともに増える転倒・転落などの災害リスクについて、働く人が自分の身体機能を知り、気づきを得ることを目的にしています。

構成は2つに分かれています。

パート内容結果の表し方
Ⅰ 身体機能計測5つの体力テストを実際に行う実測値を評価表で1〜5に換算(レーダーチャートの黒枠)
Ⅱ 質問票9問に①〜⑤で答える。5つの体力テストと同じ能力について「どのくらいできると思うか」を聞く合計点を1〜5に換算(レーダーチャートの赤枠)

2026年4月から適用されている厚生労働省の「高年齢者の労働災害防止のための指針」でも、体力チェックの方法として身体機能のセルフチェックやフレイルチェックが挙げられています。

5つの体力テストと評価区分

評価表は男女共通です。実測値を次の区分に当てはめて、1〜5の評価にします。

テスト(見ている能力)評価1評価2評価3評価4評価5
2ステップテスト(歩行能力・筋力)
2歩の距離÷身長
〜1.241.25〜1.381.39〜1.461.47〜1.651.66〜
座位ステッピングテスト(敏捷性)
20秒間の回数
〜24回25〜28回29〜43回44〜47回48回〜
ファンクショナルリーチ(動的バランス)〜19cm20〜29cm30〜35cm36〜39cm40cm〜
閉眼片足立ち(静的バランス)〜7秒7.1〜17秒17.1〜55秒55.1〜90秒90.1秒〜
開眼片足立ち(静的バランス)〜15秒15.1〜30秒30.1〜84秒84.1〜120秒120.1秒〜

出典:厚生労働省「転倒等リスク評価セルフチェック票」評価表。実施方法の詳細は同省の実施マニュアルに従ってください。

それぞれのテストのやり方

  1. 2ステップテスト/両足をそろえて立ち、できるだけ大股で2歩進んで両足をそろえる。スタートから着地点までの距離を身長で割る。床にメジャーを置ける直線が要る
  2. 座位ステッピングテスト/椅子に座ったまま、床に貼った左右の目印へ足を交互に動かし、20秒間の回数を数える。椅子・テープ・ストップウォッチが要る
  3. ファンクショナルリーチ/壁の横に立ち、両腕を肩の高さに上げ、バランスを崩さない範囲で前へ伸ばした距離を測る。壁に貼る目盛りが要る
  4. 閉眼片足立ち/目を閉じて片足で立っていられる秒数を測る
  5. 開眼片足立ち/目を開けて片足で立っていられる秒数を測る

ファンクショナルリーチと片足立ちは、測定中に転ぶおそれがあります。壁際で行う、すぐ支えられる位置に補助者を置く、といった配慮が必要です。

質問票(9問)は何を聞いているか

質問票は、5つの体力テストと同じ能力について、本人が「どのくらいできると思っているか」を5段階で答える形式です。たとえば「人ごみで正面から来る人をよけて歩けるか」「眼を閉じて片足でどのくらい立てると思うか」「つり革につかまらずに電車でどのくらい立っていられるか」といった、日常の場面に置き換えた聞き方になっています。

2問ずつの合計点(2〜10点)を、2〜3点=評価1、4〜5点=評価2、6〜7点=評価3、8〜9点=評価4、10点=評価5に換算します。

結果の読み方|見るのは「2以下」と「過信」

実測(黒枠)と自己評価(赤枠)を同じレーダーチャートに重ねると、次のことが分かります。

チャートの形意味声かけの例
黒枠が小さい(特に2以下の項目がある)その能力で転倒等のリスクが高い「この項目は同年代より低めです。どんな場面で気をつけるかを一緒に考えましょう」
赤枠が黒枠より大きい実際の身体機能より自信が上回っている(過信)「思っているより片足立ちが短く出ています。階段や段差ではひと呼吸おきましょう」
黒枠と赤枠がほぼ重なる自分の身体機能を正しく認識できている「今の状態を維持できているか、次回も測って確認しましょう」
黒枠が赤枠より大きい実際より自信がない「数値は悪くありません。不安な動作があれば教えてください」

このチェック票のいちばんの価値は、「自分はまだ大丈夫」という思い込みと実測のずれを、本人に見せられることです。転倒は、本人が危ないと感じていない場面で起きます。

職場で実施するときの準備と時間

セルフチェック票そのものは無料ですが、実施には次のものが要ります。

数人なら会議室で十分に回せます。数十人から百人規模になると、種目ごとに列ができ、計測者による測り方の差も出やすくなります。ここが、多くの職場で「1回はやったが続かなかった」となる理由です。

セルフチェック票の限界

どれもセルフチェック票が悪いという話ではありません。無料で全員に配れる入口として優れています。そのうえで、人数が多い職場や、毎年比べたい職場では、測り方を補う手段があると続けやすくなります。

機器測定と組み合わせる

立位年齢®検査装置 StA²BLE(ステイブル)は、重心動揺計の上に目を閉じて両足をそろえて立ち、指先に付けた専用デバイスを使って約1分で測定します。片足立ちのように測定中に転ぶ危険がなく、結果は「立位年齢®」として年齢の形で返ります。

セルフチェック票StA²BLE
費用無料(場所・人手は必要)レンタル1日55,000円〜/購入1,080,000円
1人あたりの時間5種目を順に回る約1分
測定中の転倒の危険あり(片足立ち・リーチ)立っているだけ
計測者による差出やすい装置が自動で計測
本人の自己認識質問票で分かる分からない
結果の伝わり方レーダーチャート立位年齢®(実年齢と比べられる)

おすすめは、質問票は全員に配って自己認識を集め、身体機能の測定はStA²BLEで行うという組み合わせです。「自信はあるのに立位年齢®が実年齢より高い」人が、いちばん声をかけるべき対象になります。

よくある質問

Q1. 転倒等リスク評価セルフチェック票とは何ですか?

A. 厚生労働省が公開している職場向けの体力チェックの様式です。2ステップテスト、座位ステッピングテスト、ファンクショナルリーチ、閉眼片足立ち、開眼片足立ちの5つを実際に測り、9問の質問票で本人の自己評価も集めます。どちらも1〜5の5段階に換算してレーダーチャートに重ね、転倒等のリスクと、自分の身体機能に対する認識のずれを確認します。

Q2. 評価はどう読めばよいですか?

A. 実測の評価(黒枠)が小さい項目、特に2以下の項目は、その能力で転倒等のリスクが高いと読みます。あわせて、自己評価(赤枠)が実測より大きい項目は「過信」を示します。転倒は本人が危ないと思っていない場面で起きるため、過信の項目にも注意が必要です。

Q3. 片足立ちの評価区分は男女で違いますか?

A. 違いません。厚生労働省の評価表は男女共通です。閉眼片足立ちは7秒以下が評価1、90.1秒以上が評価5、開眼片足立ちは15秒以下が評価1、120.1秒以上が評価5です。

Q4. セルフチェック票を実施するのに何が必要ですか?

A. 2ステップテスト用の直線とメジャー、座位ステッピング用の椅子とテープ、ファンクショナルリーチ用の壁と目盛り、片足立ち用のストップウォッチが必要です。ファンクショナルリーチと片足立ちは測定中に転ぶおそれがあるため、壁際で行い、支えられる補助者を置いてください。

Q5. セルフチェック票だけで転倒対策は十分ですか?

A. 入口としては十分に役立ちます。ただし、計測者によって値がぶれる、測定中に転倒の危険がある、人数が多いと時間がかかる、といった限界があります。毎年比べたい職場や人数の多い職場では、機器による測定と組み合わせると続けやすくなります。

Q6. セルフチェック票の結果を人事評価に使ってもよいですか?

A. 使わないでください。体力チェックの結果は、本人の気づきと職場環境の改善のために使うものです。厚生労働省の指針も、健康情報の適正な取扱いと、本人の同意、不利益な取扱いの防止への配慮を求めています。実施前に、結果を評価に使わないことを社員へ明示しておくと参加率が上がります。

Q7. StA²BLEとセルフチェック票はどう使い分けますか?

A. 質問票は全員に配って自己認識を集め、身体機能の測定はStA²BLEで行う組み合わせをおすすめしています。StA²BLEは目を閉じて立つだけの約1分の測定で、測定中に転ぶ危険がなく、結果を立位年齢®として実年齢と比べられます。立位年齢®の詳しい読み方は立位年齢®とはをご覧ください。

Q8. StA²BLEの測定を体験・デモで確認できますか?

A. 導入前に体験・デモ・ショールームでの確認をご希望の場合は、株式会社ウエルアップまでご相談ください。約1分の測定の流れ、立位年齢®のレポート、測定会での動線を実機でご確認いただけます。デモのご相談はこちらからお問い合わせください。

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