健康チェック機器の導入と運用がわかるメディア|株式会社ウエルアップ 健康チェック機器のメディア 機器選定を相談する
健康経営の基礎2026年09年18日 更新

プレゼンティーイズムとアブセンティーイズム|損失をどう捉えるか

この記事の結論

アブセンティーイズムは「休んでいる状態」、プレゼンティーイズムは「出勤しているが力を出せていない状態」です。健康経営でプレゼンティーイズムが注目されるのは、休んだ人より、出勤している人のほうが人数が多いからです。ただし測り方に限界があるので、単年の数値で判断しないでください。

1見えないが人数は多い休んでいる人より、出勤している人のほうが
2測り方に限界がある主観に依存するため、単年では判断できません
3測るより先に手を打つ作業姿勢・照度・長時間労働・健診後のフォロー

2つの言葉の違い

アブセンティーイズムプレゼンティーイズム
状態健康上の理由で休んでいる出勤しているが、本来の力を出せていない
例病気休職、傷病による欠勤花粉症、頭痛、腰痛、睡眠不足、体調不良
見えやすさ見える(勤怠記録に残る)見えない(本人しか知らない)
該当する人数少ない多い
測り方勤怠データアンケート(主観による自己申告)

「見えない」「人数が多い」の2つが重なるのがプレゼンティーイズムです。だから対策の対象として注目される一方、実態をつかむのが難しいという性質を持ちます。

なぜ注目されるのか

休職している人が1人いれば、その事実は誰の目にも明らかです。一方で、頭痛を抱えたまま出勤している人、花粉症で集中できない人、腰が痛くて作業効率が落ちている人は、記録のどこにも現れません。

しかし人数は後者のほうが圧倒的に多い。1人が3か月休むよりも、100人が1割の力を出せていないほうが、組織全体では大きい——という考え方です。

健康経営の文脈でこの言葉がよく出てくるのは、「健康への投資」を経営の言葉に翻訳するのに使いやすいからでもあります。

測り方とその限界

プレゼンティーイズムは、複数の質問票による測定手法が知られています。いずれも本人が自分の状態を自己申告する形で、健康上の問題によってどの程度パフォーマンスが落ちているかを回答してもらいます。

限界を知っておく

限界実務上の意味
主観に依存する回答者の性格や、その日の気分で振れる
回答者が偏る回答率が低いと、健康に関心のある層の数字になる
比較が難しい他社と比べる意味が乏しい。手法も統一されていない
金額換算は前提次第時給や労働時間の置き方で結果が大きく変わる
因果関係は示せない数値が改善しても、施策の効果だとは言い切れない

とくに金額換算は注意してください。「プレゼンティーイズムによる損失は年間○円」という試算は、前提の置き方でいくらでも変わります。社内の説明に使うなら、必ず前提もセットで示してください。

単年の数値だけで判断せず、同じ手法・同じ時期で数年分の推移として見るほうが現実的です。他社の数値との比較は、手法が違うため意味を持ちません。

原因になりやすいもの

プレゼンティーイズムの原因として挙げられるのは、いずれも「病気とまでは言えないが、確実に効率を落とすもの」です。

共通しているのは「休むほどではない」という点です。だから本人は言い出さず、会社も気づきません。

現場で打てる手

プレゼンティーイズムを「測る」より先に、原因として挙がりやすいものに直接手を打つほうが早いことが多くあります。

原因打てる手費用感
花粉症時期に合わせた情報提供、空気清浄機小
腰痛・肩こり作業姿勢の見直し、椅子・机の高さ、ストレッチの時間小〜中
目の疲れ照度の見直し、画面の位置、休憩の取り方小
睡眠不足長時間労働の是正、深夜の連絡を減らす制度の見直し
体調全般日常的に測れる環境、再検査の受診勧奨小
メンタル面相談窓口、ストレスチェックの集団分析の活用制度の範囲

いちばん下から2行目に注目してください。「体調が万全でない」と本人が自覚するきっかけをつくるのは、測定機器の得意分野です。血圧計を通り道に置く、年1回の測定会を開く。どちらも費用は小さく、気づきの入口になります。

測定機器との関係

健康チェック機器はプレゼンティーイズムを測るものではありません。できるのは、本人が自分の状態に気づくきっかけをつくることまでです。

できるできない
本人が自分の状態を数値で見るプレゼンティーイズムを測定する
気になった人が相談に進む入口になる生産性への影響を示す
取り組みの参加率という指標が取れる施策の効果を証明する

「測定機器を入れればプレゼンティーイズムが改善する」という言い方はできません。気づきの入口をつくる道具として位置づけてください。指標の考え方は健康経営の効果をどう測るかにまとめています。

経営層に説明するとき

この言葉は経営の言葉に翻訳しやすいぶん、大きな金額を出して説得しようとする使い方をされがちです。ただし前提次第で数字が変わるため、盛った試算は信用を落とします。

実務的には、次のように使うほうが通ります。

  1. 考え方として紹介する/休んでいる人より、出勤している人のほうが人数が多い
  2. 自社で見える数字を並べる/休業日数、有給取得率、再検査の受診率
  3. 手を打てる原因を1つ挙げる/腰痛、睡眠、健診後のフォローなど
  4. 費用と参加率で示す/「レンタル5万円で120人が参加、1人あたり417円」

金額換算は、使うとしても補助的に。前提を明示したうえで「試算では」と添えてください。

よくある質問

Q1. プレゼンティーイズムとは何ですか?

A. 出勤しているものの、健康上の問題によって本来の力を発揮できていない状態を指します。花粉症、頭痛、腰痛、睡眠不足などが原因として挙げられます。勤怠記録には現れないため、会社からは見えません。

Q2. アブセンティーイズムとの違いは何ですか?

A. アブセンティーイズムは健康上の理由で休んでいる状態で、勤怠記録に残るため見えます。プレゼンティーイズムは出勤しているため見えません。ただし該当する人数はプレゼンティーイズムのほうが多くなります。

Q3. どうやって測るのですか?

A. 複数の質問票による手法が知られており、いずれも本人が自分の状態を自己申告する形です。ただし主観に依存するため、回答者の性格やその日の気分で振れます。単年の数値ではなく、同じ手法・同じ時期の数年の推移として見てください。

Q4. 損失額を計算して社内説明に使えますか?

A. 使えますが、注意が必要です。金額換算は時給や労働時間の置き方で結果が大きく変わるため、前提を明示せずに大きな数字だけ出すと信用を落とします。補助的に、前提とセットで「試算では」と添えてください。

Q5. 測定機器でプレゼンティーイズムは測れますか?

A. 測れません。健康チェック機器にできるのは、本人が自分の状態に気づくきっかけをつくることまでです。「機器を入れればプレゼンティーイズムが改善する」という言い方はできません。

Q6. 何から手を打てばよいですか?

A. 測ることより先に、原因として挙がりやすいものに直接手を打つほうが早いことが多くあります。作業姿勢の見直し、照度の改善、長時間労働の是正、健診後の再検査の受診勧奨。いずれも費用が小さく、効果も説明しやすい施策です。

Q7. 気づきの入口をつくる方法を相談できますか?

A. できます。社員数、拠点、予算をお知らせいただければ、日常的に測れる環境の作り方や年1回の測定会の形をご提案します。まずレンタルで1回試して参加率を数字にする、という始め方も承っています。お問い合わせフォームからご連絡ください。

機器選定を相談する