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健康経営の基礎2026年09年18日 更新

健康経営は何から始めるか|中小企業でも回る実行ステップ

この記事の結論

健康経営が止まる原因は、予算でも人手でもありません。最初に手を広げすぎることです。運動・食事・睡眠・メンタルを同時に始めた会社は、翌年にはどれも残っていません。取り組みは1つに絞り、参加率だけ記録する。これが中小企業でいちばん確実に回る形です。

1手を広げすぎない同時に4つ始めた会社は翌年に何も残っていません
2部署ごとの窓口を置く全社メールでは動きません
3参加率を記録する1年目に示せる唯一の数字です

始める前の3つ

1. 経営層の方針を1枚にする

「社長が健康経営をやると言っている」状態を、文字にしてください。A4で1枚、数行で足ります。

これが無いと、担当者は社内に協力を頼めません。「総務が勝手にやっていること」と受け取られた施策は、部署の協力が得られず、参加率が上がりません。認定制度の申請でも、経営者の方針表明は基本的な項目として扱われます。

2. 担当を決める。ただし1人にしない

兼任でかまいませんが、「誰の仕事か」をはっきりさせてください。同時に、1人に全部を任せないこと。その人が異動した瞬間に止まります。

「部署ごとの窓口」が効きます。全社に一斉告知しても人は動きませんが、同じ部署の人から「明日やるよ」と言われると動きます。

3. いまある数字を集める

新しく測る前に、すでに手元にある数字を並べてください。

数字どこにあるか
健康診断の受診率総務・健診機関
再検査の受診率把握していない会社が多い。ここに伸びしろがある
有給休暇の取得率勤怠システム
休業・長期欠勤の状況人事
離職率人事

2行目に注目してください。健診は受けているのに、要再検査と言われた人が病院に行っていない——これは多くの会社で起きており、しかも手をつけやすい課題です。

施策は1つだけ始める

ここが最大の分かれ目です。同時に複数を始めた会社は、ほぼ例外なく翌年に何も残っていません。

始めやすい施策費用感続けやすさ
血圧計を通り道に1台置くリースで月額数千円〜非常に高い
再検査の受診を案内するほぼゼロ高い
年1回の測定イベントレンタル1日25,000円〜中(年1回)
階段利用の呼びかけ掲示物のみ低い(すぐ形骸化)
運動プログラムの導入外部講師の費用低い(参加者が偏る)

いちばん上がおすすめです。血圧計を通り道に1台置くだけ。地味ですが、次の条件をすべて満たします。

詳しくは血圧測定でわかることをご覧ください。

部署単位で広げる

全社一斉より、部署単位のほうが動きます。人数が少ないぶん、声かけが届くからです。

×(動かない)○(動く)
全社メールで告知部署の朝礼で窓口が声をかける
「ご自由にご参加ください」「10:00〜10:30は営業部の時間です」
担当者が全社を回る部署ごとの窓口が自部署を回る
年1回の一斉実施部署ごとに日を分ける

管理職が先に測るのも効きます。「やっている人がいる」状態が、参加のハードルを下げます。

参加率を記録する

これが翌年を左右します。

健康経営の施策は、1年目に「効果」を出すのは困難です。体脂肪率の平均も、離職率も、1年では動きません。代わりに記録できるのが参加率です。

記録する数字使い道
測定・イベントの参加率翌年の予算を通す根拠になる
部署ごとの参加率どこに声かけが届いていないかが分かる
2回目に参加した人の割合「続く仕組み」になっているかの指標
常設機器の利用回数置き場所が正しいかの判断材料
再検査の受診率健診を活かせているかの指標

参加率という数字が1つあるだけで、2年目の稟議はまったく違うものになります。「健康のために」ではなく「昨年は6割が参加した。今年は8割を目指す」と言えるからです。

個人の測定結果を会社が個人名つきで保有するのは避けてください。社員が正直に測らなくなり、施策そのものが機能しなくなります。会社が見るのは参加率と全体の傾向だけにしてください。詳しくは測定データの活かし方をご覧ください。

低予算でできること

予算がほとんど取れない場合でも、始められる形はあります。

  1. 経営層の方針を出す/費用ゼロ。しかも認定制度でも基本項目
  2. 再検査の受診を案内する/費用ほぼゼロ。効果は大きい
  3. 健診の受診率を上げる/未受診者への声かけ。費用ゼロ
  4. レンタルで年1回の測定会/1日25,000円から
  5. 血圧計を1台リース/月額数千円から

1〜3は費用がかかりません。ここだけでも取り組みとして形になります。そのうえで4か5を足す、という順が中小企業では現実的です。

1年目の流れの例

時期やること
1か月目経営層の方針を1枚にする。担当と部署窓口を決める
2か月目いまある数字を集める(受診率・有給取得率・休業状況)
3か月目施策を1つ決める。血圧計の常設かレンタルでの測定会
4か月目実施。参加率を記録する
6か月目部署ごとの参加率を見て、届いていない部署に手を打つ
10か月目2回目を実施。2回目に参加した人の割合を見る
12か月目1年分の数字をまとめる。翌年の予算と、認定申請を検討する

認定制度を目指す場合は、健康経営優良法人の認定要件と申請の流れもあわせてご覧ください。申請には期限があるので、逆算して動く必要があります。

やりがちな失敗

失敗何が起きるか
施策を同時に4つ始めたどれも定着せず、翌年には消えている
担当者1人に任せた異動と同時に止まる
全社メールだけで告知した参加率が1割に届かない
参加率を記録しなかった翌年の予算の根拠がない
認定を取ることが目的になった申請資料だけが残り、中身が続かない
結果を人事評価に結びつけた社員が正直に申告しなくなる

よくある質問

Q1. 健康経営は何から始めればよいですか?

A. 経営層の方針を1枚にすること、担当と部署ごとの窓口を決めること、いまある数字(健診受診率・有給取得率・休業状況)を集めることの3つです。そのうえで新しい取り組みを1つだけ始めてください。

Q2. なぜ施策を1つに絞るのですか?

A. 同時に複数始めた会社は、ほぼ例外なく翌年に何も残っていないからです。運動・食事・睡眠・メンタルを一度に始めると、どれも中途半端になります。1つを定着させてから次を足してください。

Q3. 予算がほとんどありません。何ができますか?

A. 経営層の方針を出すこと、健診の受診率を上げること、再検査の受診を案内することは費用がかかりません。この3つだけでも取り組みとして形になります。そのうえでレンタルの測定会(1日25,000円〜)や血圧計のリース(月額数千円〜)を足す順が現実的です。

Q4. 参加率が上がりません

A. 全社への一斉告知では動きません。部署ごとに窓口を置き、朝礼で声をかけてもらってください。あわせて「ご自由に」ではなく部署ごとに時間を割り当て、管理職が先に測る形をつくると変わります。

Q5. なぜ参加率を記録するのですか?

A. 1年目に「効果」を示すのは困難だからです。体脂肪率の平均も離職率も1年では動きません。代わりに参加率という数字が1つあれば、「昨年は6割、今年は8割を目指す」という形で翌年の予算の根拠になります。

Q6. 担当者が異動したら止まってしまいます

A. 1人に任せないでください。推進担当、部署ごとの窓口、経営層の1人という3層にしておくと、誰かが抜けても続きます。あわせて手順を文書に残してください。

Q7. 測定機器を使った施策を相談できますか?

A. できます。社員数、拠点、予算の形をお知らせいただければ、常設かイベントかを含めてご提案します。まずレンタルで1回試して参加率を数字にする、という始め方も承っています。お問い合わせフォームからご連絡ください。

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