企業・法人で健康チェック機器を活用する|常設とイベントの使い分け
この記事の結論
企業での使い方は「常設」と「イベント」の2つしかなく、この2つは目的も向いている機種もまったく違います。常設は続くが盛り上がらない。イベントは盛り上がるが続かない。両方の性質を理解して、自社がどちらを必要としているかを先に決めてください。
常設とイベントの違い
| 常設 | イベント | |
|---|---|---|
| 目的 | 日常的に気づいてもらう | 関心を持つきっかけをつくる |
| 参加する人 | 関心のある人に偏る | 関心のない人にも届く |
| 1人あたりの接触 | 短いが何度も | 1回だけ、数分 |
| 向いている項目 | 血圧、体組成 | 野菜摂取度、血管年齢、骨健康度 |
| 費用 | 購入・リース | レンタル(1日25,000円〜) |
| 成否を決めるもの | 置き場所 | 告知と当日の回転 |
いちばん強いのは、イベントで関心を起こして、常設で受け止める組み合わせです。イベントだけだと年1回の行事になり、常設だけだと関心のある1割しか使いません。
規模別に現実的な形
| 社員数 | 現実的な始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 〜50人 | 常設1台から。血圧計か体組成計 | リース月15,000円〜/レンタル1日25,000円〜 |
| 50〜200人 | 常設1台+年1回のイベント(レンタル) | 常設リース+イベント5万円前後 |
| 200〜500人 | 常設+部署別に日を分けたイベント | 2〜3台のレンタルが必要 |
| 500人〜 | 拠点ごとに常設。イベントは日を分散 | 拠点数ぶんの購入かリース |
中小企業なら「常設1台」から
50人前後の会社で、いきなり大がかりなイベントを組む必要はありません。通り道に血圧計を1台置くだけでも、健康経営の施策として成立します。
血圧計が向いている理由は3つです。
- 説明がいらない/全員が測り方を知っている。スタッフの立ち会いが不要
- 毎日測っても意味がある/体組成や骨は毎日測っても変わらない
- 健診結果とつながる/年1回の健診で指摘された人が、日常で確かめられる
血行測定機能付きの機種なら、血圧に加えて指先の血液循環も測れるので、「血圧は問題ないですが、巡りの数値が気になりますね」という会話の入口ができます。詳しくは血圧測定でわかることをご覧ください。
健康診断との役割分担
企業の担当者から必ず出る質問です。健康チェック機器は健康診断の代わりではありません。
| 健康診断 | 健康チェック機器 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 医療行為。法令上の義務 | 任意の取り組み |
| 頻度 | 年1回 | 日常的に、何度でも |
| 結果 | 後日、郵送で | その場で |
| できること | 異常の発見 | 気づきのきっかけ |
| 測る項目 | 血液、尿、血圧、視力ほか | 体組成、野菜摂取度、血管、骨、バランス |
狙いは「健康診断と健康診断のあいだを埋めること」です。健診は受けた瞬間が最も関心の高い時点で、そこから1年かけて忘れられていきます。その1年のあいだに、自分の状態を確かめられる場所を作るのが健康チェック機器の役割です。
健診の結果をどう活かすかについては、従業員の健康管理、会社はどこまでやるべきかもあわせてご覧ください。
常設で成否を決めるのは置き場所
導入した機器が使われなくなる理由の大半は、機種ではなく置き場所にあります。
| ×(使われない) | ○(使われる) |
|---|---|
| 会議室 | 休憩室の入口 |
| 倉庫(使うとき出す) | 更衣室の前 |
| 健康推進室の中 | 自販機の横 |
| 普段行かないフロア | 通り道 |
「出し入れが必要な場所」に置いた機器は、必ず使われなくなります。1つでも手間があると、忙しい日から順に使われなくなるためです。
あわせて用意するもの。
- 椅子/立ったまま測る配置にすると誰も測りません
- 記録用紙かノート/書ける場所があると続ける人が出ます
- 測り方の1枚/3項目以内に絞る
- 結果が気になったときの相談先/産業医、保健師、医療機関
社員に測ってもらうために
常設しても、放っておくと使うのは関心のある1〜2割です。使う人を広げる方法は、大がかりなことではありません。
- 入社時の手続きに入れる/全員が1回は測る状態をつくる
- 健診の前後に案内する/健康への関心が最も高い時期
- 管理職が先に測る/「測っている人がいる」状態が要る
- 結果を強制的に集めない/集めた瞬間、測らなくなります
最後が重要です。会社が個人名つきで結果を把握する形にすると、社員は正直に測らなくなります。会社が持つのは個人名を外した集計だけにしてください(測定データの活かし方)。
費用と稟議
「健康のために」だけでは予算が通りにくい、という声をよく聞きます。実務的には次の形で出すと通りやすくなります。
| 出し方 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用を抑える | 5年リースで月額に均す(InBody 270S なら月15,000円) |
| まず試す | レンタルで1回やってみて、参加率を数字にする |
| 1人あたりで示す | 75万円の機器を年360人が使えば、5年で1回あたり417円 |
| 制度と結びつける | 健康経営優良法人の取り組みとして位置づける |
「まずレンタルで1回やってみる」が最も現実的です。参加率という数字が1つあるだけで、2年目の話がまったく変わります。費用の詳細は価格・レンタル・リースに、認定制度については健康経営優良法人の認定要件と申請の流れにまとめています。
よくある質問
Q1. 企業で健康チェック機器をどう使えばよいですか?
A. 常設とイベントの2つの使い方があります。常設は日常的に気づいてもらうためのもので血圧計や体組成計が向き、イベントは関心のない人にも届けるためのもので野菜摂取度や血管年齢が向きます。両方を組み合わせるのがもっとも効果的です。
Q2. 健康診断の代わりになりますか?
A. なりません。健康診断は医療行為として実施される法令上の義務で、健康チェック機器は任意の取り組みです。狙いは健康診断と健康診断のあいだを埋め、その1年のあいだに自分の状態を確かめられる場所をつくることです。
Q3. 中小企業でも始められますか?
A. 始められます。50人前後の会社であれば、通り道に血圧計を1台置くだけでも施策として成立します。5年リースなら月額15,000円台から、年1回のイベントならレンタル1日25,000円からです。
Q4. 常設したのに使われないことはありませんか?
A. 置き場所で決まります。会議室や倉庫に置くと使われません。休憩室の入口、更衣室の前、自販機の横といった通り道に置いてください。あわせて椅子、記録用紙、測り方の1枚、相談先の案内を用意してください。
Q5. 社員に測ってもらうにはどうすればよいですか?
A. 入社時の手続きに入れる、健診の前後に案内する、管理職が先に測る、といった形が有効です。逆に、結果を会社が個人名つきで集めると社員は測らなくなります。会社が持つのは個人名を外した集計だけにしてください。
Q6. 予算が通りにくいのですが
A. まずレンタルで1回実施して、参加率を数字にしてください。それが2年目の根拠になります。あわせて5年リースで月額に均す、1人あたりの単価で示す、健康経営優良法人の取り組みとして位置づける、といった出し方が通りやすくなります。
Q7. 自社に合う形を相談できますか?
A. できます。社員数、拠点の数、常設かイベントか、予算の形をお知らせいただければ、機種と台数を含めてご提案します。まずレンタルで試す形からでもかまいません。お問い合わせフォームからご連絡ください。