社内健康イベントの作り方|参加率が上がる設計と当日の運営
この記事の結論
社内健康イベントが失敗する原因は、ほぼ2つです。「1台で何人回せるか」を計算していないことと、測ったあとに何もないこと。機種選びより先に、この2つを決めてください。当日の混乱も、翌年の参加率も、ここで決まります。
まず計算する:1台で何人回せるか
ここを飛ばすと、当日に列が止まります。測定時間そのものではなく、説明と入れ替わりを含めた「1人あたり」で考えてください。実務上は測定時間の3倍を見ておくと外しません。
| 測定項目(機種) | 測定時間 | 1人あたり | 1時間/1台 |
|---|---|---|---|
| 骨健康度(CM-200) | 約10秒 | 約1分 | 約50〜60人 |
| 野菜摂取度(ベジメータ) | 約15秒 | 約1分 | 約50〜60人 |
| 野菜摂取度(ベジミル) | 約30秒 | 約1.5分 | 約40人 |
| 血管年齢(iheart) | 約30秒 | 約1.5分 | 約40人 |
| 骨健康度(骨ウエーブ) | 約40秒 | 約2分 | 約30人 |
| 体組成(InBody) | 機種による | 約2〜3分 | 約20〜30人 |
| ストレス(マインドバランス) | 約1分 | 約3分 | 約20人 |
| 立位バランス(StA²BLE) | 約1分 | 約3分 | 約20人 |
規模別の目安
| 社員数 | 昼休み45分で | 半日(3時間)で | 現実的な形 |
|---|---|---|---|
| 50人 | 速い機種なら1台で足りる | 2項目でも回る | 1日で完結 |
| 100人 | 2台必要 | 1台で足りる | 半日1回 |
| 200人 | 4〜5台。非現実的 | 2台必要 | 2日に分ける |
| 500人 | 不可能 | 6台以上 | 部署別に日を分ける |
「昼休みに全社員」という相談は非常に多いのですが、100人を超えるとほぼ成立しません。日を分けるか、台数を増やすか、項目を絞るかの三択です。ここを最初に伝えないまま進むと、当日に長い列ができて、並んだ人が諦めて帰ります。
参加率を決めるのは告知
機器を置いておけば人が来る、ということはありません。参加率が伸びる告知には共通点があります。
| ×(伸びない) | ○(伸びる) |
|---|---|
| 健康測定会を実施します | 野菜が足りているか、15秒でわかります |
| ご自由にご参加ください | 10:00〜10:30は営業部の時間です |
| 健康増進のため | その場で結果が出ます。数字を持ち帰れます |
| 1回きりの告知 | 2週間前・前日・当日朝の3回 |
とくに効くのが「部署ごとに時間を割り当てる」です。「ご自由に」だと来ません。時間が指定されていると、来ます。しかも列の分散にもなるので、運営が楽になります。
測定項目の選び方
イベントで反応が取れるのは、結果が一言でわかる項目です。
- 野菜摂取度/「野菜が足りていません」は全員に通じます。回転も速く、イベント向きでは最有力
- 血管年齢/実年齢と比べるだけで意味がわかります。iheart なら1人1.5分
- 体組成/数値は多いですが、部位別のバランスが出ると本人が自分の話として聞き始めます
- 骨健康度/女性向けのイベントで反応が強く出ることがあります
逆に血圧は目玉になりません。誰でも知っていて珍しくないためです。血圧は常設のほうが価値が出ます(血圧測定でわかること)。
2項目用意するなら、体組成+野菜摂取度が扱いやすい組み合わせです。「体のかたち」と「食べているもの」で話がつながり、社食の施策や保健指導に接続できます。
当日の設計
ブースの並べ方
- 受付を1つにまとめる/機器ごとに受付を作ると、どこに並べばいいか分からなくなります
- 測定は奥、説明は手前/測り終わった人が出口付近で結果を見ていると、次の人が入れません
- 待機列の場所を決めておく/床にテープを貼るだけで流れが変わります
- 結果を見る椅子を用意する/立ったまま結果を渡すと、その場で読まずに折りたたまれます
2が最も効きます。測定が1分で終わっても、結果を見ながら話す時間が同じ場所で発生すると、1人あたりは3分になります。空間を分けてください。
必要な人員
| 役割 | 人数 | やること |
|---|---|---|
| 受付 | 1人 | 名前の記入、流れの案内 |
| 測定 | 1台につき1人 | 機器の操作、姿勢の案内 |
| 結果の説明 | 1〜2人 | 見方の案内。何を言ってよいかを事前に共有 |
| 全体 | 1人 | 列の整理、消耗品の補充、時間の管理 |
2台なら最低4人です。「担当者1人で回せます」という前提で組むと、必ず破綻します。
持ち込む機器の重量を確認する
会場が別フロアだったり、エレベーターが無かったりすると、ここで詰まります。
| 機種 | 重量 | 運搬 |
|---|---|---|
| ベジメータ | 430g | 鞄に入る |
| ベジミル | 6.5kg | 1人で運べるが台車が欲しい |
| 骨ウエーブ | 約8.7kg | 台車が必要 |
| マインドバランス | 約9.5kg | 台車が必要 |
| CM-200 | 約11kg | 2人での運搬を想定 |
| UDEX-APG(血圧) | 約12kg | 2人での運搬を想定 |
あわせて電源の位置も確認してください。据え置き型のほとんどは AC100V が必要です。延長コードは会場側にあるとは限りません。
当日の持ち物
- 感熱ロール紙・結果用紙/人数分+予備。当日に切れます
- 延長コード・電源タップ
- アルコール綿/皮膚に触れる機器で必要
- 結果の見方を書いた1枚/持ち帰ってもらう
- スタッフ用の「言ってよいこと」シート
- 次の案内/保健指導、運動プログラム、次回の測定日
費用はレンタルで考える
年に1〜2回のイベントなら、購入よりレンタルのほうが確実に安く済みます。
| 機種 | レンタル 1日/3日/7日 |
|---|---|
| 血管年齢 iheart | 25,000/30,000/40,000円 |
| 血圧 UDEX-APG | 25,000/30,000/40,000円 |
| 野菜摂取度 ベジミル | 45,000/50,000/60,000円 |
| 骨健康度 骨ウエーブ | 45,000/50,000/60,000円 |
| ストレス マインドバランス | 45,000/50,000/60,000円 |
| 体組成 InBody 270S | 50,000/60,000/80,000円 |
| 立位バランス StA²BLE | 55,000/60,000/70,000円 |
| 野菜摂取度 ベジメータ | 60,000/70,000/100,000円 |
| 骨密度 CM-200 | 60,000/70,000/100,000円 |
2026年9月時点の価格です。年に5回以上使うなら購入かリースのほうが安くなります。詳しくは価格・レンタル・リースをご覧ください。
いちばん見落とされること:測ったあと
イベントの成否は、当日ではなく翌週に決まります。結果用紙を渡して終わりにすると、翌年の参加率が落ちます。理由は単純で、測った人が「で、どうすればいいの?」のまま放置されるからです。
最低限、次の3つを用意してください。
- 結果の見方の1枚/その場で渡す。あとから配っても読まれません
- 次にできることの選択肢/社食のメニュー、運動プログラム、保健師への相談。3つ以内に絞る
- 次に測る日/「半年後にまた測ります」と言っておくと、結果用紙が捨てられません
とくに3です。次の測定日が決まっているだけで、イベントが「1回限りの催し」から「続く仕組み」に変わります。データの扱い方は測定データの活かし方にまとめています。
よくある質問
Q1. 社内健康イベントは何から決めればよいですか?
A. 参加人数と使える時間です。この2つから1台で何人回せるかを逆算すると、必要な台数と測定項目が決まります。機種の比較から入ると、当日に列が止まる設計になりがちです。
Q2. 昼休みの45分で全社員に測ってもらえますか?
A. 100人を超えるとほぼ成立しません。1台で45分に回せるのは、速い機種でも40人前後です。200人なら4〜5台必要になり現実的ではないため、日を分けるか部署ごとに時間を割り当ててください。
Q3. イベントで使うなら、どの測定項目がよいですか?
A. 結果が一言でわかる項目です。野菜摂取度(「野菜が足りていません」)と血管年齢(実年齢と比べられる)が反応を取りやすく、回転も速いです。血圧は誰でも知っていて珍しくないため、目玉にはなりません。
Q4. スタッフは何人必要ですか?
A. 受付1人、測定は1台につき1人、結果の説明1〜2人、全体の管理1人です。2台なら最低4人になります。担当者1人で回す前提で組むと、当日に破綻します。
Q5. 参加率を上げるにはどうすればよいですか?
A. 部署ごとに時間を割り当ててください。「ご自由にご参加ください」では来ません。あわせて告知は2週間前・前日・当日朝の3回に分け、「野菜が足りているか15秒でわかります」のように結果が想像できる言葉で伝えてください。
Q6. 機器のレンタル費用はどのくらいですか?
A. 1日で25,000〜60,000円が中心です。血管年齢の iheart と血圧計が25,000円、体組成計が50,000円、ベジメータと骨密度測定器が60,000円です。年に5回以上使うなら購入かリースのほうが安くなります。
Q7. イベントの相談やレンタルの見積りはできますか?
A. できます。参加人数・使える時間・会場をお知らせいただければ、台数と測定項目を含めてご提案します。当日の運営や結果の返し方までご相談いただけます。お問い合わせフォームからご連絡ください。