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シーン別の活用2026年09年18日 更新

介護施設・高齢者施設での健康チェック機器の使い方|転倒予防の啓発に

この記事の結論

介護施設で健康チェック機器が効くのは、「転倒予防」という文脈がすでにあるからです。ただし数値の使い方を間違えると、恐怖をあおって外出を控えさせるという逆の結果を生みます。骨健康度(折れやすさ)と立位バランス(転びやすさ)を組み合わせ、「転ばない体をつくる」という前向きな目標に変えてください。

1骨とバランスの組み合わせ「折れやすさ」と「転びやすさ」の両面から
2負担は測定より移動と待ち時間1日で全員、という設計にしない
3恐怖をあおらない活動を控えさせると、かえって転びやすくなります

なぜ転倒予防の文脈が効くのか

転倒予防の呼びかけは、放っておくと抽象的になります。

よくある呼びかけ受け取られ方
段差に気をつけてください「自分は大丈夫」
手すりを使ってください「まだそこまでじゃない」
運動しましょう「そのうちやる」
立位年齢が実年齢より12歳上です「え、そうなの?」

転ばずに済んでいる人ほど、自分は大丈夫だと思っています。この思い込みを揺さぶれるのが数値の役割です。しかも施設では、すでにご本人もご家族も「転倒」を心配しています。説明の前提を作る必要がありません。

組み合わせで意味が出る2項目

骨健康度立位バランス
示すもの折れやすさ転びやすさ
測定時間約10秒(CM-200)/約40秒(骨ウエーブ)約1分(StA²BLE)
1人あたり約1〜2分約3分
1時間/1台約30〜60人約20人
次に測るまで半年〜1年3か月
標準価格1,300,000円(骨ウエーブ)1,080,000円
レンタル 1日45,000円(骨ウエーブ)/60,000円(CM-200)55,000円

骨だけ測ると「骨を強くしましょう」で終わります。バランスを足すと話が変わります。骨が弱くても転ばなければ折れません。逆にバランスが落ちていても骨が強ければ被害は小さく済みます。この2つが揃うと「転ばない体をつくる」という具体的な目標になります。

体組成を加えると、脚の筋肉量という3つめの軸が入ります。部位別の筋肉量で左右差や脚の落ち込みが見えると、機能訓練の内容に直接つながります。

測定時の負担を軽く見ない

企業の社員に測るのとは条件が違います。ここを設計に入れてください。

項目施設で気をつけること
靴と靴下踵を測る CM-200 は脱ぐ必要がある。脱ぎ履きに時間がかかる方が多い
立つ姿勢立位バランスは立てることが前提。立位が不安定な方には行わない
待ち時間立って待たせない。必ず椅子を用意する
1回の人数1時間で20人を超えると、待つ側の負担が大きい
声かけ「危ない」ではなく「調べてみましょう」
付き添い移動に介助が必要な方のぶん、スタッフを見込む

測定そのものより、移動と待ち時間のほうが負担になります。1日で全員、ではなく、レクリエーションの時間に少人数ずつ、という形のほうが現実的です。

恐怖をあおらない

ここが施設での最大の注意点です。

転倒の話は、すぐ恐怖につながります。「あなたは転びやすいです」「危険です」と伝えると、外出や活動を控えるという、まったく逆の行動を招くことがあります。動かなくなれば、筋力もバランスも落ちます。

×○
転びやすい状態です今回はこういう結果でした
このままだと危険ですここは伸びしろがありますね
骨がもろくなっています気になるようでしたら医療機関でも詳しく調べられます
外出は控えたほうが3か月後にまた測ってみましょう

狙いは活動を増やすことであって、怖がらせることではありません。この方針をスタッフ全員で先に共有してください。1枚にまとめて機器の横に貼るのが確実です。

ここで扱う機器は、骨粗しょう症の診断や将来の転倒の予測を行うものではありません。超音波骨密度測定装置 CM-200 は管理医療機器(クラスⅡ)ですが、施設で健康づくりに使う場合に診断にあたる説明を行うことはできません。気になる結果が出た方には医療機関への相談をご案内してください。

ご家族への伝え方

施設ならではの使い方として、ご家族への説明材料になるという面があります。

ただし「施設の取り組みで数値が良くなりました」とは言えません。測定機器は効果を証明するものではないためです。言えるのは「同じ条件で測った結果を並べるとこうなっています」までです。

運営の形

導入した週に決めること

  1. いつ測るか/レクリエーションの時間、機能訓練の前など、手順に組み込む
  2. 測定条件/時間帯、服装、靴の有無。1枚にして機器の横に貼る
  3. 誰が測るか/機能訓練指導員、看護職員など。持ち回りにしない
  4. 記録の保存先/保存期間と閲覧範囲を決める
  5. 言葉の1枚/言ってよいこと・いけないこと

1がいちばん重要です。「余裕があれば測る」という運用は、忙しい日から順に使われなくなります。手順に埋め込んでください。

次に測るまでの間隔

測定項目間隔理由
立位バランス3か月運動で変わるが、短期では差が出にくい
体組成3〜6か月筋肉量の変化が出るまで時間が要る
骨健康度半年〜1年短期間では変わらない

骨を1か月後に測り直すのは避けてください。変化が出ないので「やっても無駄」という体験をさせてしまいます。

年に数回ならレンタルで

常設するほど使わない、という施設は多くあります。その場合はレンタルで十分です。

機種標準価格5年リース/月額レンタル 1日/3日/7日
立位年齢測定器 StA²BLE1,080,000円21,600円55,000/60,000/70,000円
骨健康度測定器 骨ウエーブ1,300,000円26,000円45,000/50,000/60,000円
超音波骨密度測定装置 CM-200販売終了販売終了60,000/70,000/100,000円
体組成 InBody 270S750,000円15,000円50,000/60,000/80,000円

2026年9月時点の内容です。年に5回以上使うなら購入かリースのほうが安くなります。

よくある質問

Q1. 介護施設ではどの測定項目が向いていますか?

A. 骨健康度と立位バランスです。骨健康度は「折れやすさ」、立位バランスは「転びやすさ」を示し、この2つを組み合わせると「転ばない体をつくる」という具体的な目標になります。体組成を加えると脚の筋肉量という軸も入り、機能訓練につながります。

Q2. 測定に時間はどのくらいかかりますか?

A. 骨健康度は1人1〜2分、立位バランスは1人3分が目安です。ただし施設では移動と待ち時間のほうが負担になります。1日で全員ではなく、レクリエーションの時間に少人数ずつという形のほうが現実的です。

Q3. 立位バランスは誰でも測れますか?

A. 立てることが前提の測定です。立位が不安定な方には行わないでください。また踵を測る骨密度測定器は靴と靴下を脱ぐ必要があるため、脱ぎ履きの時間と椅子を用意してください。

Q4. 結果が悪かった方にはどう伝えればよいですか?

A. 「危ない」「転びやすい」とは伝えないでください。恐怖から外出や活動を控えるという逆の行動を招きます。「今回はこういう結果でした」「ここは伸びしろがあります」「3か月後にまた測ってみましょう」という前向きな言葉に置き換えてください。

Q5. ご家族への説明に使えますか?

A. 取り組みを示す材料になります。「機能訓練をしています」より「立位年齢を3か月ごとに測っています」のほうが伝わります。ただし「施設の取り組みで数値が良くなりました」とは言えません。言えるのは「同じ条件で測った結果を並べるとこうなっています」までです。

Q6. 次に測るまでの間隔はどのくらいですか?

A. 立位バランスは3か月、体組成は3〜6か月、骨健康度は半年〜1年が目安です。骨を1か月後に測り直すと変化が出ないため、「やっても無駄」という体験をさせてしまいます。

Q7. レンタルや実機デモはできますか?

A. できます。立位年齢測定器 StA²BLE は1日55,000円、骨健康度測定器 骨ウエーブは1日45,000円からのレンタルに対応しています。利用者数、実施の頻度、測る場所をお知らせいただければご提案します。お問い合わせフォームからご連絡ください。

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