健康経営でベジメータをどう使うか|測っただけで終わらせない設計
この記事の結論
健康経営でベジメータが効くのは、「食生活の取り組みをやった」を「数字が動いた」に変えられるところです。測定を単発のイベントで終わらせず、3か月あけて2回測る設計にしてください。1回だけの測定は、報告書に書ける材料になりません。
健康経営で食生活が扱いにくい理由
健康経営の施策のなかで、食生活は成果が見えにくい分野です。
- 運動は歩数が取れる
- 喫煙は禁煙者数が取れる
- 体重や血圧は健診で取れる
- 食生活は、聞き取りアンケート以外に測る手段がなかった
アンケートは、答える側が「食べているつもり」で答えます。本人の申告なので、施策の前後で比べても変化が出たのか意識が変わっただけなのか分かりません。
皮膚カロテノイドの測定は、ここに客観的な数字を1つ足せます。本人の申告ではなく、体に取り込まれた結果を測っているためです。
年間の組み立て方
測って終わりにしないために、最低限この形にしてください。
| 時期 | やること | 残すもの |
|---|---|---|
| 1か月目 | 1回目の測定。全体・年代別・部署別の平均を出す | ベースラインの数値 |
| 1〜4か月目 | 食生活の施策を打つ(社員食堂のメニュー、朝食の声かけ、野菜の配布など) | 何をやったかの記録 |
| 4か月目 | 2回目の測定。1回目と同じ条件で測る | 前後の比較 |
| 5か月目 | 結果を社内に返す。次の施策を決める | 報告書、次年度の計画 |
2回の測定は3か月以上あけてください。皮膚のカロテノイド量は血液中から皮膚へ移行するまでに2〜4週間かかることが確認されており(カゴメの研究、健康な成人26人が野菜ジュースを1日200ml・4週間摂取)、1か月では変化を読み切れません。
報告書に何を書くか
「健康測定会を実施し、◯名が参加しました」だけでは、翌年の予算が続きません。次の3つがそろうと、施策として報告できる形になります。
1. 参加率
対象者のうち何割が測ったか。参加率は施策の浸透度そのものです。30%と70%では、同じ平均値でも意味が違います。
2. 集団の傾向
全体平均に加えて、年代別・部署別の平均を出します。どこが低いかが分かると、次に打つ手が決まります。「20代の男性が低い」と分かれば、社員食堂の朝メニューという具体策につながります。
このとき、喫煙者の割合が部署で違うと解釈を誤ります。ベジメータは喫煙の有無を記録できるので、分けて見てください。
3. 前後の変化
施策の前と後で、平均がどう動いたか。これが書けると、施策の効果として報告できます。同一人物で追える場合はIDで紐づけ、追えない場合でも集団の平均として比較できます。
健康経営優良法人の申請での位置づけ
健康経営優良法人の認定では、食生活の改善に向けた取り組みが評価項目に含まれています。申請で問われるのは「何をやったか」と「どう確認したか」です。
測定を組み込むと、後者に具体性が出ます。
- 施策:社員食堂に野菜を増やしたメニューを導入した
- 確認:導入前と3か月後に皮膚カロテノイド測定を実施し、参加者の平均値を比較した
認定の要件・評価項目は年度によって変わります。申請にあたっては、必ずその年度の申請要件をご確認ください。この記事は要件を保証するものではありません。
他の測定と組み合わせる
ベジメータ単体でも成立しますが、健康測定会として組むなら複数の測定を並べたほうが参加率が上がります。「野菜だけ測る会」より「体のことをまとめて測る会」のほうが人は来ます。
| 組み合わせ | 何が見えるか |
|---|---|
| ベジメータ + 体組成計(InBody) | 食生活と体格・筋肉量をあわせて見る。もっとも組みやすい |
| ベジメータ + 転倒リスク計測(StA²BLE) | 高齢の従業員が多い職場。栄養と身体機能を並べる |
| ベジメータ + 血圧・血管系 | 生活習慣全般の入口として |
測定会の設計そのものはイベントでの回し方に、機器の選定は3機種の比較にまとめています。
費用をどう見るか
年2回の測定なら、3日間レンタルを2回で140,000円です。300人が測れば1人あたり約467円、500人なら280円。1人あたりに直すと、社内で説明しやすくなります。年4回以上やるなら購入・リースの検討に入ります。計算は価格・レンタルの記事にまとめました。
よくある質問
Q1. 健康経営でベジメータは何に使えますか?
A. 食生活に関する施策の効果を、本人の申告ではない数字で確認できます。食事アンケートは「食べているつもり」が入りますが、皮膚カロテノイドの測定は体に取り込まれた結果を測るため、施策の前後比較に使えます。
Q2. 1回測るだけでは意味がありませんか?
A. 1回でも「気づきをつくる」効果はありますが、報告書に書ける材料にはなりません。施策の前後で3か月以上あけて2回測ると、変化として報告できます。年間計画を立てるときに、最初から2回分を組み込んでください。
Q3. 何人くらい測れば傾向が見えますか?
A. 個人の値は変動しますが、年代別・部署別に分けて見るなら各区分で30人程度あると傾向として読みやすくなります。全体では100人以上を目安にしてください。参加率も同時に記録しておくと、施策の浸透度として報告できます。
Q4. 健康経営優良法人の申請に使えますか?
A. 食生活改善の取り組みとその確認方法として記載できます。ただし認定の要件・評価項目は年度により変わるため、必ずその年度の申請要件をご確認ください。当社が認定を保証するものではありません。
Q5. 測定結果を個人に返しても問題ありませんか?
A. 本人に返すこと自体は問題ありませんが、健康状態の判定として伝えることはできません。「野菜・果物の摂取状況の目安」として伝え、体調や食生活の判断が必要な場合は医師・管理栄養士への相談を案内してください。数値の伝え方はベジレベルの読み方にまとめています。
Q6. 他の測定機器と一緒に使えますか?
A. 使えます。体組成計との組み合わせがもっとも一般的で、食生活と体格をあわせて見られます。測定会として複数の機器を並べたほうが参加率は上がります。当社では体組成計・転倒リスク計測・血流観察など複数の機器を扱っています。
Q7. ベジメータの体験やデモはできますか?
A. 可能です。年間の測定計画の立て方、報告書に何を書くか、他の機器との組み合わせまで含めてご相談いただけます。導入を決めていない段階でもかまいません。お問い合わせフォームからご連絡ください。