酸素ボックスとは?仕組み・種類・カプセルやルームとの違い
この記事の結論
酸素ボックスとは、密閉した空間の気圧を通常より少し高めた状態にして、その中で一定時間過ごすための設備です。一般的な製品は最大1.3気圧前後、利用時間は30分〜1時間程度が目安で、形態はカプセル・ボックス・ルームの3種類に分かれます。酸素ボックスは医療機器ではなく、医療機関の高気圧酸素治療とは異なる機器です。導入を検討する際は、機種選びより先に利用人数と置ける場所・搬入経路を確認してください。
酸素ボックスとは、気圧を少し上げた空間で過ごすための設備
酸素ボックスとは、密閉した空間の気圧を通常より少し高めた状態にして、その中で一定時間過ごすための設備です。一般的な製品は最大1.3気圧前後で、利用時間は30分〜1時間程度が目安です。
ジム、整体院・整骨院、リラクゼーション施設、企業の休憩室などに設置され、施術後のメニューやリフレッシュの時間として使われています。
まず押さえておきたいのは、次の一点です。
酸素ボックス・酸素カプセル・酸素ルームは医療機器ではありません。医療機関で行われる「高気圧酸素治療」(高気圧酸素治療装置)とは異なる機器であり、疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。導入後の案内文やメニュー表でも、治療や効果効能を断定する表現は使えません。
仕組み:加圧と、酸素濃度
酸素ボックスの仕組みは、大きく2つの要素に分かれます。
1. 加圧
コンプレッサーで空気を送り込み、内部の気圧を上げます。多くの製品が1.3気圧前後まで対応しており、そこへ数分かけてゆっくり到達させます。
この「ゆっくり」が重要で、急に加圧すると耳に不快感が出ます。製品によって加圧の速度や、運転中に気圧を変えられるかが異なります。利用者が耳抜きに慣れていない施設では、途中で下げられる機種のほうが運用しやすくなります。
2. 酸素濃度(機種による)
加圧だけの製品と、酸素濃縮器を組み合わせて内部の酸素濃度を高める製品があります。後者は「高濃度酸素カプセル」などと呼ばれます。
酸素濃縮器は標準装備の機種とオプションの機種があり、ここが価格差の大きな要因になります。見積りを取るときは内訳を必ず確認してください。
3つの種類:ボックス・カプセル・ルーム
「酸素ボックス」は広い意味で使われますが、実際の設備は形態によって3つに分かれます。
| カプセル | ボックス | ルーム | |
|---|---|---|---|
| 定員 | 1人 | 1〜6人程度 | 複数人(大型は20〜40人も) |
| 姿勢 | 横になる | 座る/横になる | 自由(部屋として使う) |
| 圧迫感 | やや強い | 少ない | ほとんどない |
| 設置面積 | 小さい | 中 | 大きい |
| 搬入 | 比較的容易 | 経路の確認が要る | 分割搬入・工事を伴うことが多い |
| 向く施設 | 整体院・整骨院、小規模サロン | ジム、リラクゼーション施設 | 大型施設、企業、自治体 |
選び方の基本は単純で、「1人ずつ横になる」ならカプセル、「座って複数人」ならボックス、「部屋として使う」ならルームです。ここを先に決めないと、メーカー比較が成立しません。
ボックスとカプセルの違いはこちらの記事でさらに詳しく扱っています。
高気圧酸素治療との違い
混同されやすいので、はっきり分けておきます。
| 酸素ボックス等 | 高気圧酸素治療 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 医療機器ではない | 医療機器(高気圧酸素治療装置) |
| 実施する場所 | ジム・サロン・施設など | 医療機関 |
| 目的 | リフレッシュ、休息の時間として | 医師の判断による治療 |
| 気圧 | おおむね1.3気圧前後 | より高い気圧を用いる |
両者はまったく別のものです。施設で酸素ボックスを案内する際に、医療の高気圧酸素治療と同じもののように説明することはできません。表現には注意してください。
施設で導入する前に知っておきたいこと
利用できない場合がある
次に当てはまる方は、事前に医師への相談が必要な場合があります。施設として案内のルールを決めておいてください。
- 耳抜きがしづらい方、中耳炎など耳の疾患がある方
- 妊娠中の方
- 呼吸器・循環器に疾患のある方
- 閉所恐怖症の方
実際の可否と説明の仕方は、メーカーの取扱説明書に従ってください。製品ごとに注意事項が異なります。
1回では終わらない設備
酸素ボックスは、1回使って完結する設備ではありません。継続して使ってもらう前提でメニューを組まないと、稼働率が上がりません。回数券、月額オプション、施術とのセットなど、料金の設計とセットで考える必要があります。
メニュー設計と稼働率の上げ方は、それぞれ別記事にまとめています。
場所を取る
カプセルでも2m以上の長さが必要です。ボックスやルームはさらに大きくなります。置ける場所があるかどうかは、機種選びより先に確認してください。搬入経路も含めた確認事項は設置スペースのガイドにまとめています。
どの順番で検討すればよいか
- 何人が、どのくらいの頻度で使うかを想定する/ここから形態が決まります
- 置ける場所と搬入経路を確認する/ここで候補が絞られます
- 形態を決める/カプセル/ボックス/ルーム
- メーカーを比較する/7項目を同じ形で聞く
- メニューと料金を設計する/ここを飛ばすと稼働しません
- 見積りを取る
多くの施設が4番から始めてしまいます。1〜3を飛ばすと、比較表が空欄だらけになって決められなくなります。
部屋型の設備については酸素ルーム(O2 ROOM)とは、値段は酸素ボックスの値段・価格表をご覧ください。
あわせて読みたい:酸素カプセルの効果は?研究でわかっていること・わかっていないこと
よくある質問
Q1. 酸素ボックスとは何ですか?
A. 密閉した空間の気圧を通常より少し高めた状態にして、その中で一定時間過ごすための設備です。一般的な製品は最大1.3気圧前後で、利用時間は30分〜1時間程度が目安です。医療機器ではありません。
Q2. 酸素ボックスと酸素カプセル、酸素ルームは何が違いますか?
A. 形態の違いです。カプセルは1人用で横になるタイプ、ボックスは座って複数人でも入れるタイプ、ルームは部屋として使うタイプです。定員、圧迫感、設置面積、搬入のしやすさが変わります。
Q3. 高気圧酸素治療と同じものですか?
A. 違います。高気圧酸素治療は医療機関で医療機器(高気圧酸素治療装置)を用いて行われるもので、酸素ボックス等は医療機器ではありません。施設での案内の際に、両者を同じものとして説明することはできません。
Q4. 酸素濃縮器は必要ですか?
A. 機種によって標準装備かオプションかが異なります。加圧のみの製品と、酸素濃縮器で内部の酸素濃度を高める製品があり、価格差の大きな要因になります。見積りの内訳で必ず確認してください。
Q5. 誰でも利用できますか?
A. 耳抜きがしづらい方、中耳炎など耳の疾患がある方、妊娠中の方、呼吸器・循環器に疾患のある方、閉所恐怖症の方などは、事前に医師への相談が必要な場合があります。実際の可否と案内の仕方は、メーカーの取扱説明書に従ってください。
Q6. 検討はどの順番で進めればよいですか?
A. 利用人数と頻度の想定 → 置ける場所と搬入経路の確認 → 形態の決定 → メーカー比較 → メニューと料金の設計 → 見積り、の順です。メーカー比較から始めると、条件が定まらず比較表が空欄だらけになります。