血流スコープ導入後の運用|撮影条件の決め方と記録の残し方
この記事の結論
導入後にやることは2つだけです。撮影条件をそろえることと、使うタイミングを手順に埋め込むこと。条件をそろえないと記録が比べられず、手順に埋め込まないと3か月で使われなくなります。
使われなくなる機器の共通点
導入したのに棚に戻っている施設には、はっきりした共通点があります。
- 「余裕があれば使う」運用になっている/忙しい日から順に使われなくなる
- 撮る条件が人によって違う/前回と比べられず、記録の意味がなくなる
- 保存先が決まっていない/どこに何があるか分からなくなる
- スタッフが何を言ってよいか分からない/使うのが怖くなる
いずれも機器の問題ではなく、決めていないことの問題です。導入した週のうちに決めてしまってください。
1. 撮影条件をそろえる
血流の見え方は条件で変わります。押し当てる強さ、手の冷え、室温、撮影位置、照明。条件がそろっていない画像を並べても、変化として読めません。
決めること
| 項目 | 決め方の例 |
|---|---|
| 撮る部位 | 左手の薬指、爪の根元。全員同じにする |
| 押し当てる強さ | 「触れる程度」と言語化し、実演で共有する |
| 倍率 | 観察時の倍率を固定する |
| 照明 | LEDのON/OFFと明るさを固定する |
| タイミング | 施術前に撮る。入室直後は手が冷えていることがある |
| 室温 | 極端に寒い・暑い日は記録に残す |
これを1枚にして機器の横に貼ってください。スタッフが替わっても同じ条件で撮れます。
条件をそろえても、見え方の変化を施術やメニューの効果として示すことはできません。記録はあくまで「同じ条件で撮った画像」であって、効果の証拠にはなりません。詳しくは言えること・言えないことをご覧ください。
2. 記録の残し方
保存のルール
- どこに保存するか/端末のフォルダか、顧客管理システムか
- どう名前を付けるか/顧客ID+日付。あとで探せる形にする
- いつまで持つか/保存期間を決める
- 誰が見られるか/アクセスできる範囲を決める
- 退会・解約時にどうするか/削除の手順
撮影の同意
お客さまの体の一部を撮影して保存します。何のために撮り、どこに保存し、いつまで持つのかを伝えて同意を得てください。店舗の個人情報の取り扱いに含めておく形が一般的です。口頭か書面かも決めておきます。
静止画か動画か
血流ドクターオートは静止画(JPG 1920×1080 ほか)と動画(AVI 1920×1080 20fps ほか)の両方を撮れます。
- 記録として残すなら静止画/容量が小さく、並べて比べやすい
- その場で見せるなら動画/流れているのが見えることに価値がある
両方撮ると容量が増えます。「その場は動画で見せて、静止画だけ保存する」が実務的です。
3. 使うタイミングを手順に埋め込む
ここが最重要です。「余裕があれば」は必ず形骸化します。
| ×(形骸化する) | ○(続く) |
|---|---|
| 興味がありそうな人に声をかける | 初回のお客さまには全員案内する |
| 時間があるときに使う | 初回問診の3番目に固定する |
| 担当者が判断する | チェックリストに入れる |
| 使いたい人が使う | 全スタッフが初日に1回は自分で撮る |
最後の行は効きます。自分の血流を見たことがないスタッフは、お客さまに勧められません。導入したら全員が一度は自分を撮ってください。
4. 2回目につなげる設計
1回目の価値は「珍しさ」ですが、これは2回目には効きません。2回目以降の価値は「前回と並べて見られること」です。だから初回に必ず記録を残します。
- 初回に撮って保存する
- 次回の来店時に「前回のがありますよ」と出す
- 並べて見る。変化があってもなくても、それは言及しない
- また記録する
「変化がありましたね」とは言えません。言えるのは「並べて見られます」までです。この線を守っても、お客さまは十分に興味を持ちます。
5. 3か月後に振り返る
導入して3か月経ったら、次を確認してください。
- 何人に使ったか/想定と比べてどうか
- 使っていないスタッフはいるか/いるなら理由を聞く
- 2回目の観察に至った人は何人か/記録が生きているかの指標
- 困った質問は出たか/1枚シートに追記する
2で「使いにくい」という声が出たら、たいていは操作ではなく言葉のほうが理由です。1枚シートを見直してください。
チェックリスト
| いつ | やること |
|---|---|
| 導入した日 | 全スタッフが自分を1回撮る |
| 導入した週 | 撮影条件の1枚、言葉の1枚を作って貼る |
| 導入した週 | 保存先・保存期間・同意の取り方を決める |
| 導入した週 | 使うタイミングを手順に書き込む |
| 1か月後 | 使用人数を確認する |
| 3か月後 | 2回目の観察に至った人数を確認する |
よくある質問
Q1. 撮影条件は何をそろえればよいですか?
A. 撮る部位、押し当てる強さ、倍率、照明、撮るタイミングの5つです。血流の見え方はこれらの条件で変わるため、そろえないと前回と比べられません。1枚にまとめて機器の横に貼り、スタッフが替わっても同じ条件で撮れるようにしてください。
Q2. 画像は静止画と動画のどちらで残すべきですか?
A. その場で見せるのは動画、保存するのは静止画が実務的です。動画は流れているのが見えることに価値がありますが容量が大きく、記録として並べて比べるなら静止画のほうが扱いやすいためです。
Q3. 撮影の同意はどう取ればよいですか?
A. 何のために撮り、どこに保存し、いつまで持つのかを伝えて同意を得てください。店舗の個人情報の取り扱いに含めておく形が一般的です。口頭にするか書面にするかも、導入時に決めておいてください。
Q4. 導入したのに使われなくなるのを防ぐには?
A. 使うタイミングを手順に固定することです。「余裕があれば使う」という運用は、忙しい日から順に使われなくなります。「初回のお客さまには全員案内する」「問診の3番目に入れる」といった形で、判断を挟まないようにしてください。
Q5. 前回と比べて「良くなった」と言ってもよいですか?
A. 言えません。見え方は押し当て方や室温でも変わるため、変化を施術やメニューの効果として示すことはできません。言えるのは「前回の画像と並べて見られます」までです。この線引きは導入前にスタッフ全員で共有してください。
Q6. スタッフが使いたがらない場合は?
A. 理由はたいてい操作ではなく、何を言ってよいか分からないことです。言ってよいこと・いけないこと、よくある3つの質問への答えを1枚にまとめて渡してください。あわせて、全スタッフが一度は自分の血流を見ておくと、案内しやすくなります。
Q7. 血流ドクターオートの体験やデモはできますか?
A. 可能です。実機をご覧いただきながら、撮影条件の決め方、保存の運用、スタッフ向け1枚シートの作り方までご相談いただけます。導入済みの施設からの運用のご相談も承っています。お問い合わせフォームからご連絡ください。