血流観察をカウンセリングに組み込む|話の運び方と3分の型
この記事の結論
血流観察の価値は「説明する道具」ではなく「一緒に見る道具」であることです。スタッフが良し悪しを判定しようとすると会話は止まり、お客さま自身に見てもらうと会話が始まります。3分の型をひとつ決めて、全員が同じ流れで回せるようにしてください。
うまくいかないパターン
導入したのに使われなくなる施設には、共通の入り方があります。
- スタッフが画面を見て解説しようとする/解説できることが少ないので、話が続かない
- お客さまが画面を見ていない/スタッフの側にモニターを向けたまま撮っている
- 撮って終わる/次に何をするかが決まっていない
- 「すごいでしょう」で止まる/珍しさは2回目には効かない
いずれもスタッフが主語になっているのが原因です。主語をお客さまに移すと、同じ機器でも会話が変わります。
3分の型
| 時間 | やること | 言うこと | |
|---|---|---|---|
| 1 | 20秒 | 声をかける | 「普段見えないところ、見てみますか」 |
| 2 | 30秒 | 準備する | 「指先を拡大して見る機器です。痛くありません」 |
| 3 | 40秒 | 一緒に画面を見る | 「これが毛細血管です。動いているの、見えますか」 |
| 4 | 60秒 | お客さまに話してもらう | 「どう見えますか」「初めて見ましたか」 |
| 5 | 30秒 | 記録する | 「今日の画像、残しておきますね」 |
| 6 | 20秒 | 次につなげる | 「次回また撮ると、並べて見られます」 |
4がいちばん大事です。ここでスタッフが黙れるかどうかで、その後の会話の量が決まります。
各ステップの中身
1. 声をかける ── 健康の話から入らない
「血流を測ってみませんか」と言うと、身構えられます。判定される、と受け取られるからです。
○「普段は見えないところ、見てみますか」
○「指先を拡大して見る機器があるんですが、やってみますか」
×「血流の状態を測ってみましょう」
2. 準備する ── 先に「わからないこと」を言う
ここで期待値を合わせておくと、あとが楽になります。
「これは指先を拡大して見る機器で、良い・悪いを判定するものではないんです。今こう見えている、というところまでですね」
先に言っておくと、あとで「で、どうなんですか」と聞かれても困りません。なぜこの説明が必要かは言えること・言えないことをご覧ください。
3. 一緒に画面を見る ── モニターの向きが9割
モニターはお客さま側に向けてください。スタッフが見て説明する構図と、二人で同じ画面を見る構図では、会話の質がまったく違います。
血流ドクターオートは約2秒でピントが合うので、「はい、映りました」までが速く、待たせません。
4. お客さまに話してもらう ── ここで黙る
問いかけを1つだけ投げて、あとは待ちます。
「どう見えますか」
「こういうの、初めて見ますか」
「動いているの、分かりますか」
ほとんどのお客さまは、ここで自分から話し始めます。「思ったより動いてるんですね」「これが血管なんですか」。そこから体のこと、生活のことに話が広がります。カウンセリングの入口としては、これで十分です。
逆に、スタッフが「ここが細くなっていて…」と解説を始めると、会話は止まります。判定になってしまうのに加えて、お客さまが受け身になるためです。
5. 記録する ── 次回の材料にする
撮った画像を保存します。「残しておきますね」と言うだけで、次回に来る理由がひとつ増えます。保存のルール(保存先・期間・撮影同意)は導入前に決めておいてください。
6. 次につなげる
「次にお越しのとき、また撮ってみましょう。前回のと並べて見られますよ」
変化があるかどうかは約束できません。約束するのは「並べて見られること」だけです。ここを「良くなりますよ」と言ってしまうと、施術の効果の話になります。
スタッフ教育は1枚の紙で足りる
機器の操作は覚えれば済みます。難しいのは言葉のほうです。次の内容を1枚にまとめて、機器の横に置いてください。
- 3分の型/6ステップと、各ステップの一言
- 言ってはいけない言葉/と、その言い換え
- 3つの質問への答え/「血流いいですか」「他の人と比べて」「病気じゃないですよね」
- 困ったときの逃げ道/「担当に確認します」「気になることは医療機関でご相談ください」
この紙があると、新人でも初日から回せます。逆にこれが無いと、経験のあるスタッフほど良かれと思って踏み込みます。
業種ごとの入り方
| 業種 | 組み込むタイミング | 次につながる先 |
|---|---|---|
| 整骨院・鍼灸院 | 初回問診のとき、施術前 | 継続来院、次回の観察 |
| フィットネス | 入会時のカウンセリング、定期面談 | 体組成測定との併用、継続支援 |
| 美容・ウェルネス | カウンセリングの冒頭 | メニューの相談、ホームケアの話 |
| 薬局・健康食品店 | 相談カウンターで | 管理栄養士・薬剤師への相談 |
| 健康イベント | ブースの入口 | その場の相談、来店の案内 |
業種別の詳しい組み立ては業種別の使い方にまとめました。
やってはいけないこと(再掲)
- 状態を判定して伝える(「血流が悪いですね」)
- 病名や体調の原因を説明する
- 施術やメニューの効果として画像の変化を示す
- 他のお客さまの画像と比べさせる
- 「良くなりますよ」と約束する
血流ドクターオートは医療機器ではありません。観察された画像から病気の有無や健康状態を判断することはできません。体調に不安がある場合は、医療機関への受診をご案内ください。
よくある質問
Q1. 血流観察はカウンセリングのどこに入れるとよいですか?
A. 冒頭です。初回問診やカウンセリングの入口に置くと、会話のきっかけとして働きます。施術後に「効果の確認」として入れると、効果を主張する見せ方になってしまうため避けてください。
Q2. スタッフは何を説明すればよいですか?
A. 説明しようとしないことです。「これが毛細血管です」「動いているの、見えますか」と一緒に見て、あとは「どう見えますか」と問いかけて黙ってください。お客さま自身が話し始めます。判定や解説は不要ですし、してはいけません。
Q3. 1人あたりどれくらい時間がかかりますか?
A. 3分が目安です。声かけ20秒、準備30秒、画面を見る40秒、お客さまに話してもらう60秒、記録30秒、次回の案内20秒という配分です。イベントで回す場合は、記録を省いて2分に縮めることもできます。
Q4. 珍しがられるのは最初だけではないですか?
A. 1回目の価値は珍しさですが、2回目からは「前回と並べて見られること」が価値になります。だから初回に必ず記録を残してください。記録していないと、2回目も1回目と同じ体験にしかなりません。
Q5. 何と言って断ればよいか分からない質問をされたら?
A. 「この機器では分からないところです」と正直にお答えください。曖昧に流したり、善意で踏み込んだりするほうが、あとで信用を失います。よく出る3つの質問への答えは紙に書いて機器の横に貼っておくことをおすすめします。
Q6. 新人スタッフでも運用できますか?
A. できます。むしろ経験の浅いスタッフのほうが、余計な解説をしないぶん向いていることがあります。3分の型・言い換えリスト・3つの質問への答えを1枚にまとめて渡せば、初日から同じ品質で回せます。
Q7. 血流ドクターオートの体験やデモはできますか?
A. 可能です。実機をご覧いただきながら、3分の型を実際に体験していただけます。スタッフ向けの1枚シートの作り方、業種に合わせた組み込み方までご相談ください。お問い合わせフォームからご連絡ください。