従業員の健康管理、企業はどこまでやるべき?義務・任意の違いと実践ポイントを解説

従業員の健康管理、企業はどこまでやるべき?義務・任意の違いと実践ポイントを解説
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「健康管理」はどこまでやればいい?企業担当者の悩み

「従業員の健康を守りたいけど、やりすぎたらプライバシーの問題も…」
「法的にどこまでが義務なのか、分かりづらい」

そんな声を多く聞きます。
この記事では、企業の健康管理における「義務」と「任意」の違いを整理しながら、適切な対応の考え方を紹介します。


企業に義務づけられている健康管理(法的義務)

項目内容対象者
定期健康診断年1回、雇用者全員に実施義務あり常時使用する全従業員(正社員・契約含む)
特定業務従事者の診断深夜業や有害物質取扱者などに追加項目あり対象職種の従業員
ストレスチェック制度従業員50人以上の事業所で年1回実施義務常時雇用する従業員

➡ 実施しない場合は労基署の指導対象になります。


義務を超えた「健康経営」的な任意取り組み

取り組み内容目的・特徴
健康イベント(測定会など)健康意識の向上・行動変容を促す
オンライン運動/ストレッチリモート勤務者の運動不足解消に効果的
健康アプリ導入歩数・睡眠・食事などを可視化・記録
保健指導や個別面談生活習慣病予防・メンタルケアなど

【図解】義務と任意の違いまとめ

企業の健康管理と任意の取り組みの違いまとめ
義務と任意の違いまとめ

実践のポイント|やりすぎず、放置せず

① プライバシーと自主性を尊重する

  • 健康情報は個人情報として取り扱いに注意
  • イベント・施策は「任意参加」が基本
  • 健康アプリ等は個人で記録、強制しないこと

② 健康情報の管理・分析は“集計単位”で行う

部署ごとの傾向やストレス傾向を見ることはOK。
個人を特定せず、「傾向を把握する」レベルで活用します。


③ 誰でも参加しやすい雰囲気をつくる

  • 景品つきチャレンジやランキング企画などで楽しく
  • 健康を「押しつけ」にならないよう工夫する

よくある質問(Q&A)

Q. 義務を守れば、健康経営になる?

A. 義務を守ることは最低ラインです。
健康経営として評価されるには、「任意での積極的な支援」が求められます。


Q. 小規模事業所でも健康管理は必要?

A. 従業員数に関係なく、健康診断の実施義務はあります。
ストレスチェックは50人以上が義務ですが、それ以下でも実施は推奨されています。


まとめ|健康管理は“やるべきこと”と“できること”の両立を

  • 義務としての対応:健康診断・ストレスチェックなど
  • 任意の取り組み:健康施策・アプリ・イベントなど
  • ポイントは「やりすぎず、見逃さず」バランスを取ること

健康経営の第一歩は、正しい理解と、できる範囲の実行から始まります。

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