「フレイル」とは?転倒リスクとの関係と企業ができる予防策

「フレイル」とは?転倒リスクとの関係と企業ができる予防策
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「フレイル」とは?健康と要介護の中間地点

「フレイル(Frailty)」とは、加齢に伴って身体的・精神的な活力が低下し、健康と要介護の間の状態にあることを指します。

日本語では「虚弱」とも訳され、未病(健康と病気の中間状態)の代表的な概念として注目されています。


フレイルと転倒リスクの深い関係

フレイルが進行すると、以下のような変化が見られます。

  • 足腰の筋力低下
  • 反応速度の遅れ
  • バランス感覚の低下
  • 歩行スピードの低下

これらの要素は、転倒事故の主要因と一致しています。
つまり、フレイル=転倒リスクの高い状態といえるのです。


厚労省も推進|フレイル予防の重要性

厚生労働省も「高齢者の健康づくり」において、フレイル対策を重点施策として挙げています。

※参考:高齢者の健康づくり(厚生労働省)

職場においても、50代以降の従業員が増える中で、早期に気づき、対策を講じることが重要です。


職場でできるフレイルチェック

以下のような変化がある場合、フレイルの兆候かもしれません。

  • 体重が最近減った(意図せず)
  • 片足立ちが10秒未満
  • 食事量が減った
  • 会話の機会が減った
  • 疲れやすくなった

こうした変化は、転倒や生活不活発病につながる前兆です。未病の段階での介入が非常に効果的です。


企業ができるフレイル予防対策

① 社内での健康測定の実施

  • 握力・バランステスト・歩行速度測定
  • 年1〜2回の簡易測定で状態変化に気づける

② 運動習慣の促進

  • 昼休みのラジオ体操
  • オフィス内ストレッチの導入
  • ウォーキングポイント制度の活用

③ コミュニケーション機会の増加

  • 社員同士の会話や交流イベントを増やす
  • 孤立を防ぎ、精神的フレイルを予防

④ 栄養に関する情報提供

  • 社内掲示板で「たんぱく質摂取のすすめ」などの情報発信
  • 社食や弁当で栄養バランスの啓発

よくある質問(Q&A)

Q. フレイルは病気なんですか?

A. いいえ、フレイルは病気ではなく「未病」状態です。
適切な介入により、健康状態に戻ることが可能です。


Q. フレイル予防は健康経営の一環として取り組めますか?

A. もちろんです。
フレイル対策は、従業員の生産性や離職リスクにも関わるため、健康経営の一環として非常に有効です


まとめ|フレイル対策で未病を改善し、転倒を防ぐ

  • フレイルは「未病」の一形態であり、転倒リスクを高めます
  • 職場でもフレイル対策は可能であり、企業の健康経営戦略に組み込むべきテーマです
  • “気づき”と“習慣”がフレイル対策のカギ

今すぐできる小さな対策から始めていきましょう。

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