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「つまづき」は未病のシグナル?見逃せない足元環境
職場で歩いていて「つまづいたけど、転ばなかった」——
そんな経験、誰にでも一度はあるはずです。
しかし、こうした「つまづき」は、未病(健康と病気の中間)の兆候であり、
将来的な転倒やけがのリスクを示す重要な警告でもあります。
転倒リスクの多くは“足元”にある
転倒事故の原因にはさまざまありますが、特に多いのが以下のような足元環境です。
- 電源コードやLANケーブルが床を這っている
- マットやカーペットの端がめくれている
- 小さな段差が目立たず、気づきにくい
- 床が滑りやすい(ワックス後・雨天)
- 荷物が通路にはみ出している
➡ 「気をつければ避けられる」は通用しません。
人は環境に無意識に反応して行動するため、物理的な対策が必要です。
企業に求められる“つまづき対策”とは?
① ヒヤリ・ハット事例の収集
- 「つまづいた」「足を取られた」などの軽微な出来事も共有
- 報告フォームや週報などで蓄積・分析する
② 足元環境の点検
厚労省も推奨する「安全衛生チェックリスト」を活用して、以下を定期確認しましょう。
- 配線の整理(コードカバーの使用)
- マットや段差への注意喚起(ステッカー・テープ)
- 荷物・資材の通路からの撤去
- 滑り止めマットの設置
③ 高齢従業員・未病層への配慮
- 50代以上の従業員は特にバランス能力が低下しやすい
- 繰り返す「つまづき」はロコモやフレイルの兆候かも
- 未病状態の段階で職場としてケアする視点が重要
よくある質問(Q&A)
Q. 小さな段差でも転倒事故につながるのですか?
A. はい。2〜3cmの段差でも、年齢や体調によっては十分に危険です。
段差は「目立たせる」「なくす」ことで物理的な解決を図ることが大切です。
Q. 配線を完全に床からなくすのは難しいのですが…
A. 難しい場合でも、ケーブルカバーの設置やテープでの固定など、
“つまずきにくい処理”をすることで転倒リスクを大幅に下げることができます。
まとめ|「つまづき」は“転倒の前兆”と考える
- 何気ない“つまづき”が転倒・けが・労災の入り口になる
- 足元環境は職場全体で見直すことで事故を未然に防げる
- 健康経営の視点で「未病×環境改善」に取り組むことが重要
見慣れた足元こそ、最も見直すべき場所かもしれません。